ウエルネス事業部を立ち上げ付加価値品を事業の柱に育てる
総合家庭用品メーカーのレックが温感商品の強化に乗り出す。今年3月に本社開発統括本部にウエルネス事業部を立ち上げ、温感・冷感を中心とした商品群の開発で身体と心のウエルネスに対応する方針を打ち出した。睡眠や温感・冷感に対応した付加価値品を広げて事業の柱に育てる。今秋にはドラッグストアなどに向けた健康提案として温感商品が出揃った。
今秋冬期の注力商品は、発熱と保温の両方を実現した温かい繊維で作られた「しろくまHOTくつ下」だ。冬場は身体の中心に熱が集まりやすく、末端の冷えを感じやすくなることから、「手足が冷たい、厚着をしても身体が冷える」という手足の冷えに悩む女性は非常に多い。
こうした悩みにレックでは、末端の冷えを機能性くつ下を使うことにより、冷えを解消することでヘルスケアへとつなげていく。今回は北極の寒さに耐えるしろくまの毛からヒントを得て1年掛かりで開発した。レック執行役員の本社開発統括本部兼ウエルネス企画部の中村聖一郎本部長は、「しろくまが、北極でも寒さを感じないのは、毛に秘密があります。紫外線で毛が白く見えるだけで実際は透明な毛なんです。この毛の中は空気を抱えこむ『中空状』となっていて、空気の層で熱を包み込むのです」と説明する。
「しろくまHOTくつ下」は、このしろくまの「中空状」の毛にヒントを得て、くつ下の皮膚に触れる内側は保温機能のある中が空洞の「マカロニ繊維」で設計し、さらにパイル編みにすることでダブルの空気の層を作り出し、その空気が熱を包み込んで温かさを逃がさない機能を持つのだ。その一方でくつ下の外側は、東洋紡の吸水発熱繊維糸「eks®︎」を使用した新技術「ヒート+α繊維」で身体の水分を吸収し熱に変える仕組みだ。その吸湿量はウールの約1.7倍にもなり、湿度も同時に調整してドライな温かさを実現できる。