「化粧品/コスメの二次流通市場規模は推計1555億円で、このうち275億円は、使ったことがない化粧品を試すための‟トライアル消費“。二次流通市場がもたらす一次流通市場への消費喚起効果は年間205億円」。
フリマアプリ大手のメルカリと化粧品ポータルサイトのアットコスメを運営するアイスタイルが、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授と実施した共同調査の結果だ。
調査は、今年9月、国内在住の15~69歳のうち、直近6カ月間、二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験がある男女1500人、二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験はないが、新品での購入経験のある男女500人を対象にインターネット上で実施した。
調査結果によれば、対象者の10.0%が二次流通市場で化粧品/コスメの購入を経験、二次流通市場規模は推計1555億円となった。また、二次流通市場購入者の40.1%が使ったことがない化粧品を試すためのトライアル消費を実施し、その市場規模は、275億円と見られる。
トライアル消費を行う理由は、「店頭や通販サイトなどで新品で買って失敗したくなかったため」が最も多く、これに「通販で買うことが多く、購入前に試したかったため」、「新型コロナの影響で化粧品/コスメを通販で買うようになり、店頭で試せなくなったため」が続いた。
二次流通市場がもたらす一次流通市場への消費喚起効果は年間205億円で、内訳は、二次流通市場での「購入」による消費喚起効果が52億円、「出品」による消費喚起効果が153億円となった。二次流通購入者/非購入者における化粧品/コスメの消費意識の差の1位は、「新しい商品はできるだけ試す」で、二次流通購入者の方が、非購入者に比べ3倍以上高くなった。また、直近6カ月間における一次流通市場での平均購入金額は、トライアル消費実施者が最も高く2万4206円と、 二次流通非購入者の約2.6倍となっていた。
山口准教授は、「新品購入金額は、二次流通購入者の方が二次流通非購入者よりもはるかに高いことも分かってる。化粧品/コスメのヘビーユーザーが、二次流通で色々試したり出品したりする中で、より一層新品で購入するようになっている正のサイクルが浮かび上がってくる」と、二次流通が一次流通市場の拡大に寄与していることを示唆した。