世界最大の包装機メーカーであるドイツ・ムルチバック社の国内販売を担う東京食品機械の包装機の導入が流通業界で広がっている。同社は、小型から大型まで得意先の生産規模に応じた深絞り包装機などの幅広い機器を提案。これら包装機に使うMAP(ガス置換包装)と真空パックの国産包装資材を幅広く揃える。その結果、ラップに代わる完全密封されたボリュームMAPや真空スキンパックによる食品のロングライフ化を実現、フードロスの削減に貢献している。

 MAPは精肉や鮮魚を中心に、コンビニで販売されているパックの焼き魚・煮魚、惣菜のほか、日配品、加工肉などの製造ラインで活用されている。真空スキンパックの活用事例では、大手スーパーで鮮度保持期間を延長した精肉パックでの採用も広がっている。

 今回は6月1日から4日まで4日間、愛知スカイエキスポで開催された展示会「FOOMA JAPAN2021」で、ドイツの確かな技術と高い品質を備えた包装機、国内資材を披露した。その目玉商品は、IoT対応の大型深絞り包装機「RX4・0」の発表だ。従来機に比べ生産性を10%以上向上し、生産中はエラーを事前に予測し、予防できるシステムを搭載。ハムやソーセージのほか、チーズ、玉子焼き、蒲鉾などでのMAPや真空包装に最適。

 またトレー容器に供給するトレーシーラー「T300」も提案。トップシールが盛り上がり、ボリューム感を出したMAPが紀文食品の玉ねぎ天・野菜天などで利用されるなどメーカーの採用も増えている。また、チャンバー真空包装機「C500」「C200」を紹介。こちらは生肉や加工品、魚をバックヤードなどでパック詰めするのに最適な機器だ。

メーカーで採用が広がるトレーシーラー「T300」

 その他にも同展示会では、ドイツのVEMAG社のソーセージ製造ラインやTVI社のポーションカッターを提案。資材ではエコ素材や薄肉化した包装資材、紙包装など環境問題を意識した資材提案も行った。

 営業担当者は、「当社は国内工場で国内向けに組み立てを行っている。営業拠点は全国に支店があり、導入前後のメンテナンス体制も整えている」と国内営業体制の強化についても語った。

(トップ画面は新型の大型深絞り包装機「RX4.0」)