「リアルの良さを再発見。ゆったりとおもてなしする展示会」をコンセプトに、日本酒類販売は5月18日にホテルニューオータニ芙蓉の間(東京都千代田区)で「首都圏商品展示会2021」を開催した。
昨年はコロナ禍で開催できなかったが、今年はコロナ対策の徹底と、例年の3割程度の700人に来場希望者を絞ることで開催に踏み切った。来場は事前予約制で一時間ごとに60人に設定し、会場内の人をコントロールして密を避けた。会場は一方通行として展示スペースも縮小し、例年の出展200社超を101社と半分に減らした。その代わりに、参考出品として100社の商品をコーナーで集めて提案した。
展示会オリジナル企画では、酒類専業卸のアライアンス組織「創SOU」のネットワークを活用して、14品の原酒の試飲を実施。また、飲食店向けのオリジナルのクラフトジンやノンアルコールカクテルの提案のほか、量販店向けには割材を使って家庭での飲み方の試飲を実施。コロナ下でも伸長している家飲み需要の掘り起こしを図る。
酒類事業部では、「ニーズに合った優れた商品の開発・提案」コーナーでリキュールを中心に紹介。昨年発売した「田苑金ラベルハイボール缶」やドトールコーヒーと共同開発した「果汁100%のお酒」を提案した。
食品事業部では、「割材のさまざまな活用法&おつまみのご提案」と題し、同社が選んだ小ロットで注文できるおつまみの詰め合わせセットを提案。「こだわりの開発商品」コーナーでは、1月に発売した青森県産りんごのみを使用したリンゴジュース「ヤエス 青森便り ふじ・王林」を紹介した。
国際事業本部では、台湾のプレミアムウイスキー「KAVALAN」と、スパークリングワイン世界第2の生産量を誇るスペインワイン「コドルニウ」を提案。KAVALANは、ハイボール缶に作り替えた「カバラン・バー」を6月に発売。実勢価格200円台でワンランク上のハイボール缶として、ラジオなどでも訴求。ワインは、コドルニウとラントス社のスペインワインの品揃えを7月から展開を広げる。
田中正昭社長は、「来場者に直接商品を見て、作り手の想いも聞いてもらう貴重な機会として開催に踏み切った。リアルでの商談・試飲を通して取引先の課題を解決し、コロナ後を見据えた酒類の復興を目指す」 との想いから今回リアルで開催したという。
(写真はコロナ下での飲食店向けの新たな酒を提案)