ポッカサッポロフード＆ビバレッジがレモン事業の本格強化に乗り出した。レモンの健康情報や外食店でのレモンメニューの人気を背景に、同社のレモン飲料「キレートレモン」シリーズ、レモン食品「ポッカレモン100」シリーズが過去最高の出荷量を更新。2019年度のレモン事業は前年比108％で17年度に掲げた売上高250億円を達成する見込みだ。20年度も各部門の強化で前年比108％を目指す。
平手元広レモン食品事業部長は2月21日の記者会見でこう述べた。「当社は原料の生産から加工、研究開発までの川上から川下まで一気通貫のビジネス構築で総合レモン企業を目指します」。生産では国内最大のレモン生産地・広島県と提携し、広島県大崎上島町でレモン栽培を開始する。国内レモンの収穫量は需要拡大を背景に順調に伸びているが、生産者の高齢化や後継者不足が深刻化していることから、レモン収穫作業の支援や放棄地再使用で対応。生産地域と一緒にレモンの機能価値を研究し、文化発信や商品開発に生かしていく。
新商品では冷凍果実のレモンに初参入する。冷凍果実市場は青果代替として18年には93億円に拡大。そこでレモンの健康感とレモン果汁の手軽さを兼ね備えた「冷凍ポッカレモン そのまま使えるカットレモン」を2月から販売。手摘みしたレモンをくし切りにして急速冷凍したもので、くし切りではレモンを22.5度の角度で、8分の1カットした特別製法（特許出願中）によってレモンの美味しさを最大限引き出した。同時に外食店向けでは「業務用冷凍 そのまま使えるカットレモン」（500g）を販売。冷凍レモンを使ったレモネードやレモンサワー、スイーツなどを提案する。
また売上構成比の6割を占める主力のレモン飲料では「キレートレモン」が美味しさと酸っぱさで女性の支持が厚いことから、レモン2個分の果汁（レモン果汁15％）を配合した「キレートレモン ダブルレモン」（500mlペット）を3月に追加。競争が激しいペット飲用カテゴリーの中で2個入りのレモンの果汁感で差別化。同時に機能性表示食品「キレートレモン クエン酸2700」（155ml瓶）を販売。クエン酸の働きによる「疲労感軽減」というパッケージ訴求で健康棚の定番獲得を目指す。
