ロックダウンの長期化で国民の不満続出

 ヨーロッパ全土で新型コロナウイルス変異株が想定以上のスピードで拡散する中、ドイツでも感染者数が再び急カーブで上昇、いわゆる「コロナ第3波」に突入している。累計感染者数は4月14日現在、300万人を超えた。

 昨年春、世界中が第1波に立ち往生していた時期には、徹底した危機管理と市⺠の啓蒙で世界中の称賛を得たドイツだったが、昨年12月から4カ月にわたって続いている全面ロックダウン(飲食店と小売店の閉店)により、市⺠の忍耐もそろそろ限界だ。4月1日の世論調査では国⺠の3分の2が政府の危機管理に「不満足」と、昨年同時期と正反対の結果になっている。コロナ禍の発生から1年経っても、ロックダウン一点張りでピンポイントの有効措置を取れないこと、予防ワクチン調達と接種の緩慢さ、市民の行動制限に関して国と16州の足並みが揃わないことなどがその理由だ。シュタインマイヤー大統領も認めた政府の不手際により、事業者も被用者も疲弊し、失業者数は280万人を超え、メルケル政権に対する市⺠の信頼は大きく損なわれた。

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