自治体での導入件数が前年比約2倍に
業務ロボットを使い、定型の事務作業を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」が一段と進化している。工場でロボットが人間に代わり作業するのは当たり前。だが、オフィスでのロボット活用は欧米では人気沸騰の一方、日本は遅れをとっていた。それが新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「オフィスの密を避けたい」「事務作業の人手不足に対応したい」というニーズから、活用の場が広がりつつあるのだ。
業種別で見ると、これまで先行してRPAを取り入れてきたのは製造業、金融機関などだったが、この間遅れを取り戻すように大きく伸びたのが自治体での活用だ。2020年、政府はコロナ関連の政策を矢継ぎ早に打ち出したが、オペレーションを担う各自治体の現場は逼迫状況にあった。顕著な例が定額給付金の支給だ。給付金の手続きは20年4月20日に報道発表され、そのわずか10日後の5月1日には各自治体が受付を開始しなければならなかった。郵送による申請が必要だったことから、照会・照合の工数は膨大。一方で緊急事態宣言下、出勤できる職員には制限がかかるというハードな状況だった。