三井住友カードは2月1日、クレジットカード券面からカード番号の表記をなくした「ナンバーレスカード」を発行すると発表した。カード情報は専用のスマートフォンアプリで確認する仕組み。コロナ禍の非接触ニーズからクレジットカードの日常利用が増え、セキュリティーの意識が高まっていることに対応する。
同社は昨年1月、カード表面から番号表記をなくした新カードの提供を開始。そこから1年で裏面の番号表記もなくし、アプリとの連携に舵を切った。同社の佐々木丈也執行役員マーケティング本部長は、「この1年で利用者の安心安全の意識、キャッシュレス決済を使う上での心理的な課題がアップデートされた」と指摘。「個人情報を盗み見られるリスクを排除し、より安心してカードを使っていただくため、ナンバーレスのデザインに至った」と話す。
新カードでは、カード決済の日常化に合わせ、「使いたい時に、すぐ使える」利便性も高めた。サービス設計をシンプルにし、三井住友カードの基幹カードとして初めて年会費無料を実現。申し込みも簡便で、サイト上で申し込むと最短5分でカード番号を発行、オンライン決済などですぐに使える。
さらに同社はカード利用時に付与する自社ポイント「Vポイント」も強化していく意向だ。新カードと併せ、「Vポイントアプリ」の提供も同日スタートした。これは、アプリ内にバーチャルカードを即時発行し、Vポイントのほか銀行口座などから残高を入金(チャージ)することで、国際ブランド「VISA」の非接触決済や電子マネー「iD」の加盟店などで利用できるというもの。入金との併用でポイントの使い勝手をよくし、加えて使用場面も広げることで、日々の買い物での利用を促す。今後はSMBC日興証券などグループ企業のほか、提携先の金融商品の購入にも対応する計画だ。
三井住友カードの大西幸彦社長は、「当社のキャッシュレス決済戦略はお客様起点」であることを強調。「コロナ禍というかつてない事態の中でキャッシュレス化の流れが一段と加速している。こうした変化を捉え、今後も生活者、事業者の2つのお客様の視点から、新たなニーズにいち早く対応していきたい」と意気込みを語った。