非上場化を終えたファミリーマートの新体制が早くも動き出した。1月13日に社長交代を発表し、3月1日付けで伊藤忠商事の第8カンパニープレジデントである細見研介執行役員が代表取締役社長に就任、澤田貴司社長は代表権を持った副会長に退く人事を明らかにしたのだ。
非上場化を受けての社長交代は想定の範囲内。また代表権こそ外れたが髙柳浩二会長もそのまま残る。1月18日の会見で澤田社長は、3人の役割分担について、細見氏を髙柳会長と自身がバックアップすると説明。髙柳氏は資本政策を担当し、トラブルが収束していない中国の頂新集団との折衝などに対応、澤田氏は国内事案を中心にサポートするという。
ただ、澤田氏が副会長就任後も長くその席に座ると考える業界関係者は少ない。そもそも昨年から「非上場化で社長交代となれば、澤田社長はきっぱりファミリーマートを辞めるだろう。元来そういう性格の人」との指摘は多数あった。それだけに副会長就任は少し意外性があったものの「難局続きで急に去られては加盟店対策に困る伊藤忠商事が頭を下げたのでは」(取引先幹部)との見方が妥当なところだろう。