空前のPC駆け込み需要から新型コロナで一転休業へ
新型コロナウイルス感染症の対策で家電量販店が最初に影響を受けたのは、安倍晋三首相(当時)が2月27日に発表した、全国の小・中・高等学校の臨時休校要請だった。それを受け、各社で営業時間を短縮する動きが広がった。家電業界ではそれまで、1月14日のWindows7のサポート終了に伴う空前のPCの駆け込み需要で沸いていた。全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンや4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計している「BCNランキング」によると、1月3週のPC(デスクトップとノートの合算)の販売台数は、前年同期比109.1%増を記録した。その盛り上がりも一息つき、次の春商戦に向けて対策を練っていた矢先の政府による発表だった。
しかし周知のとおり、事態はその程度では収まらず、第1波の到来で4月7日に緊急事態宣言が発令された。結果ビックカメラが12店舗(グループ24店舗)で1カ月の休業を発表、ヨドバシカメラが16店舗の一時休業に追い込まれた。家電量販店は休業要請の対象ではなかったものの、自ら休業を決断せざるを得ず、全国展開する郊外の家電量販店でも時短営業を余儀なくされた。