レックは11月18日、感染予防研究の第一人者である東邦大学看護学部の小林寅喆教授を招いて、「バルサンプラス 新型コロナ・インフル同時流行危機に対応する感染症セミナー」をオンラインで開催した。レックでは感染症対策全般のリスクに対応する新ブランド「バルサンプラス」を8月に立ち上げた。厚生労働省から認可を受けた食品添加物である亜塩素酸水が主成分である「クロラス酸」を一般家庭用向けとして国内外で初めて配合。今回のセミナーで詳細を発表した。
最初に小林教授は「科学的根拠に基づいたこれからの感染症対策」と題して説明。新型コロナは密集空間、密接場所、密接場面の3つの条件がクラスター化につながる。感染経路は飛沫感染と接触感染の2つに分かれる。飛沫感染は水分が含まれ1.5メートル以内に落ちるので、それより離れることで吸い込むリスクは大きく減る。接触感染では人は1日平均200回ほど手で鼻や口、目に触れることから粘膜を通じて侵入する。そこで病院では、手に触れるドアノブなどの箇所を1日1回以上拭き取りや低レベルの消毒を実施しているという。
このような特徴から空間除菌剤は天井に噴射され、消毒範囲に漏れが生じることから、小林教授は新型コロナ対策での使用の推奨を避けた。また首からぶら下げるタイプのウイルス空間除菌も新型コロナには効果がなく、むしろ人体に有害な場合は吸引してしまう可能性も示唆した。
こうした状況下で、レックでは奈良県立医科大学とのクロラス酸の新型コロナウイルス不活性化実験結果についても紹介。クロラス酸はウイルスや殺菌、におい成分を酸化し、ウイルスの徹底した除去・除菌や消臭効果を発揮。さらにアルコールでは効きにくいノロウイルスや熱や乾燥への抵抗力が強く、食中毒の原因となる病原性微生物など幅広い菌・ウイルスに効果を発揮する。このクロラス酸の画期的な点は、ウイルス対策として一般的なアルコールや次亜塩素酸とは異なり水や汚れにも強かった。実際、濡れた台所でアルコールをふきんで拭くと、水でアルコール濃度が薄まり失活しやすいことがわかった。それに比べて、クロラス酸では、台所やトイレ、水周りや汚れやすい場所でもしっかり効果を発揮した。
最後にレック執行役員の西田陽輔バルサン事業本部本部長が登壇。衛生害虫の駆除を目的とする「バルサン」、虫刺されからくる感染症予防を目的とした「スキンバルサン」、そしてウイスルや菌による感染症予防を目的とする新ブランド「バルサンプラス」の3ブランドで成長していくことを強調した。