消費のニューウェーブへM&Aを仕掛ける

 人口減、少子高齢化、個人所得の伸び悩み、消費増税、海外事情の混乱(円高)、天候不順(季節品不振)、新型コロナウイルス感染などこれまでにない複数の逆風が加わり、個人消費の縮小は避けられない状況にある。この先は東京五輪の特需の喪失、団塊の世代が後期高齢者入りする25年問題、消費がモノからコトへ移行、EC(電子商取引)の急成長によるリアル店舗への逆風など、小売業を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。必然的に企業の統廃合は避けられない。

 過去の消費増税後は個人消費が冷え込み、大規模な流通再編が起こっている。1997年の増税後(3%→5%)はヤオハン、長崎屋、マイカルの経営破綻、そごう、ダイエー、西友などが経営に行き詰まり、再編の主役となった。2014年の増税後(5%→8%)は従来の救済型やスケールメリット追求型(ドラッグ、コンビニなど)のM&A(合併と買収)に加えて、商社主導(伊藤忠商事、三菱商事など)による商権囲い込み型、異業態(エイチ・ツー・オー リテイリングのイズミヤ、J.フロントリテイリングのパルコ、PPIH〈パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス/旧ドンキホーテHD〉のユニー)との企業統合型が増えた。

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