東京から全国へ広がった小売りの休業、時短営業

 ここまでの異常事態を1カ月前に誰が想像できただろうか。新型コロナウイルスが日本経済にかつてない大打撃を与えている。流通業界では百貨店、ショッピングセンター(SC)、アパレル、外食チェーンなどが営業自粛を余儀なくされ、終息の見通しは依然立たない。食品スーパーを中心とする食品小売りはインフラとして商品供給機能を果たし続けているものの、平時とは異なる需要増への対応と感染症への恐れから、現場は日々、薄氷を踏む営業を続けている。

 まず各社の休業、時短営業状況から見ていく。3月下旬から約1カ月の間に、フェーズは大きく三つあった。

 初めに小池都知事が「感染爆発の重大局面」として、週末の外出自粛要請を打ち出した3月25日以降。次に政府が東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を発令した4月7日以降。そして緊急事態宣言を全国に拡大し、7都府県に加え北海道、茨城、愛知、岐阜、京都、石川の6道府県を特定警戒都道府県に位置付けた4月16日以降だ。

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