ナフサ不足が示す食品流通の国際依存
ホルムズ海峡周辺の緊迫化に伴い、中東依存度の高いエネルギー分野への影響が顕在化している。しかし、その影響はガソリン価格の変動など、直接的で分かりやすい形で認識されがちである。足元では、政府の補助金によりレギュラーガソリンの店頭価格が170円程度に抑制されていることもあり、消費者が価格上昇圧力を実感しにくい状況となっている。
一方で石油化学製品の基礎原料であるナフサの動向に目を向けると、状況はより複雑である。政府や業界団体からは、直ちに広範な供給不安が生じる状況ではないとの見方が示されているが、川下の現場では価格上昇に加え、受注制限や納期遅延など供給面の不安定化も報じられている。ナフサは、ポリエチレンやポリプロピレンといった中間原料を経て、フィルムや食品トレーなど各種容器包装の主原料となる。食品流通にとっても、その影響は小さくない。財務省が発表した26年4月の貿易統計速報値によれば、同月の国内ナフサ輸入量は104万kLとなり、前年同月比で45.1%減少した。その一方で、米国や中国、マレーシアなどからの代替調達も進められており、国内の供給量は前年並みに確保できるとの報道もある。


















