お客に支持される商品開発のポイントを解説

 「アメリカ産チーズとポテトの魅力再発見」をテーマにしたセミナーが、1月26日、東京・千駄ヶ谷の服部栄養専門学校で開催された。米国ポテト協会とアメリカ乳製品輸出協会の協賛を得て、メディアプランと国際商業出版が共催。スーパーマーケットをはじめとする小売業のバイヤーや食品卸などを対象に、アメリカ産のチーズとポテトにスポットを当てながらお客に支持される商品開発のポイントを紹介した。

講師の説明に熱心に耳を傾ける参加者

 セミナーは、流通情報誌「激流」の加藤大樹編集長の講演からスタート。加藤氏は、「異業態間で勝ち抜く来店動機づくり」をテーマに、小売業を取り巻く経営環境や2026年のスーパー、コンビニ、ドラッグストアの状況を解説。インフレによる原材料価格の高騰や人件費などのコスト上昇が続く中、小売業が利益を確保するには、売上高と粗利の拡大が重要であること、スーパー、コンビニ、ドラッグストアの間では、越境出店や食品強化が進み、競争が激化していることなどから、企業を象徴するような名物となるカテゴリー開発、商品開発が必要になると分析した。

激流の加藤大樹編集長は、小売業を取り巻く経営環境や2026年の小売業の動向を解説

 続いて登壇したEnjin Plus代表の近野潤氏は、セブンイレブン・ジャパンとヤオコーで長年商品開発に携わった経験を元に、「日配バイヤーの課題と今後の商品開発」について解説するとともに、アメリカ産のチーズとポテトを使った商品開発に必要な視点と開発のポイントを紹介した。

 近野氏は、日配バイヤーが直面する課題に、「独自化商品の不在」「市場仮説力の不足」「実務遂行力の欠如」など五つの点を挙げ、その解決に必要な要素として、「独自化企画力を鍛える」「お客様の〝不〟発見力を鍛える」「突破型実行力を鍛える」など五つの取り組みを説明した。

 一方、アメリカ産チーズとポテトを使った売り場提案や商品開発では、消費の二極化が進んでいることを鑑み、それぞれのマーケットにフォーカスした商品開発の必要性を強調。チーズについては、消費者のナチュラルチーズの認知度、理解度が低いことから、素材の特徴や用途などの情報を提供しながら需要を掘り起こすことが欠かせないと説いた。さらに、外食では人気のハンバーガーも家庭では作ることが少ない点に着目、バンズやパテ、チーズをセットにしたハンバーガーキットを例に挙げながら、多様な視点での商品開発の重要性を訴えた。

 ポテトについても、カリカリ食感が人気といった市場のトレンドを把握するとともに、少量の油で調理できるなど、消費者の〝不〟の解消につながる要素を取り入れた商品開発が求められるとした。

Enjin Plus代表の近野潤氏は、「日配バイヤーの課題と今後の商品開発」の解説とともに、アメリカ産のチーズとポテトを使った商品開発のポイントを紹介

コスパのよいアメリカ産ポテトアメリカ産チーズは市場が拡大

 加藤氏、近野氏の講演に続いては、協賛の2協会からそれぞれの商品について、特徴の解説やプロモーション事例が紹介された。

 米国ポテト協会日本代表事務所の友田理絵氏は、ラセットポテトという種類のアメリカ産ポテトは、ヨーロッパ産、カナダ産など他の産地のポテトと比べて長いことから、ロングサイズのフライドポテトが作れること、さらにそれを容器に入れた時、競合商品と比べ少ない重量で同じボリューム感を示せることを説明して、〝コスパのよさ〟を強調。また、小売業向けのプロモーション施策として、テレビのスポーツ番組の観戦時や誕生日のパーティーなど、フライドポテトを食べる機会づくりの提案や陳列コンテストを紹介。販促策も含めたアメリカ産ポテトの需要拡大に向けた取り組みをアピールした。

米国ポテト協会日本代表事務所の友田理絵氏はアメリカ産ポテトの特徴と優位性を解説した

 アメリカ乳製品輸出協会日本代表事務所の浅澤和真氏は、アメリカ産チーズの市場規模や特徴を解説。輸入チーズというと、ヨーロッパやオーストラリア産チーズのイメージが強いが、実はアメリカは世界一のチーズ生産国で、その種類も千種類以上に及ぶことを紹介した。また、アメリカ産チーズはモントレージャックやペッパージャックのようにマイルドで日本の消費者に親しみやすく、加工性に優れ、汎用性も高いうえ価格競争力もあることから、小売業や外食産業で利用が拡大している点を強調。販促策を示しながら、商品開発での活用を呼びかけた。

アメリカ乳製品輸出協会日本代表事務所の浅澤和真氏は、アメリカがチーズの生産量世界一を誇る点をアピール

 講演の終了後には、試食品もふるまわれた。カリカリのフライドポテトに余熱でとけやすく見た目もきれいなコルビージャックをのせた一品は参加者にも好評で、アメリカ産ポテトとチーズに対する理解と関心が深まったセミナーだった。

カリカリのフライドポテトにコルビージャックをのせて溶かした一品は参加者にも好評だった
アメリカ産チーズの代表モントレージャックとペッパージャックの食べ比べも行った

(冒頭写真右から、米国ポテト協会日本代表事務所の友田理絵氏とアメリカ乳製品輸出協会日本代表事務所の浅澤和真氏)