2025年、パナソニックおよびパナソニック産機システムズは、23年に発売したスーパーショーケース「REシリーズ」の特注対応に力を入れるほか、省エネ効果の高いVIGを採用した商品のラインアップも拡充。さらに、脱フロン対応の新商品も投入した。26年2月のスーパーマーケット・トレードショーでは、こうした新たな取り組みを顧客の課題解決の切り口で提案する。
省エネ効果の高いVIGを冷凍機内蔵形にも採用
スーパーショーケース「EVシリーズ」を9年ぶりにモデルチェンジし、23年に発売した「REシリーズ」は当初、標準モデルのみでの展開だったが、「EVシリーズ同様、お客様のニーズに柔軟にお応えすることが重要」(高山和幸食品流通事業企画部主務)として、現在、特注対応の幅を広げている。高山主務によれば、「ショーケースの高さを出す、天板を薄くする、ハンドレールを下げるなど、お客様ごとに求められる要素が異なるので、そうした要望に応えられるようにした」という。
もう一つ力を入れているのが冷凍ショーケースのラインアップだ。冷凍食品売り場の拡充を図る食品スーパーやドラッグストアが増えるなか、REシリーズは、冷凍ショーケースを充実させているが、冷凍機別置タイプの商品に加え、冷凍機内蔵タイプの冷凍ショーケースも取り揃えた。
また、REシリーズの更なる省エネ性能の向上にも取り組んでいる。REシリーズの標準モデルでは、店舗コントローラーとの連携や所要冷凍能力の低減等により、EVシリーズに比べて約15%※1の省エネを達成しているが、真空断熱ガラス(VIG)をリーチインショーケースの扉に採用することでさらなる省エネを追求した上位モデルも発売している。真空層を持つVIGともう1枚ガラスを組み合わせて断熱効果を高めることで、結露防止用のヒーターを不要にした結果、「VIG省エネ扉搭載冷凍リーチインショーケース」はEVシリーズのリーチインショーケースに比べ33%※2の省エネにつなげている。
VIG省エネ扉は、これまで別置形のショーケースのみに搭載していたが、新たに内蔵形にも採用。別置形のような配管工事が不要のため、既存店でも導入しやすい。高山主務は、「電源に差すだけですぐ冷凍食品売り場を増やせ、しかも、VIG省エネ扉にすることで搭載するコンプレッサーも小型化できるので、省エネ効果も大きい」と力を込める。
このほか、自然冷媒を使ったノンフロン製品のラインアップも拡充している。昨年7月には、R290を使用したガラス扉付きノンフロン冷凍平形ショーケース「EFRIO(イフリオ)シリーズ」(冒頭写真)を発売。直ケース3機種とエンドケースの計4機種を取り揃えた。
こちらは、冷凍機内蔵のプラグイン型ショーケースで、プラグをコンセントに差すだけですぐに使える利便性が特長だが、価格も訴求ポイントだ。「当社のプラグイン型ショーケースは、お客様のニーズに合わせ、できる限りシンプルにすることで、導入しやすい価格帯を実現した。さらに、イフリオは当社製店舗コントローラーと接続することが可能で、遠隔で温度警報や監視が出来る」(高山主務)といい、価格とともに利便性も強みとして打ち出している。
※1:1HFC冷媒採用スーパーマーケットモデル店舗(2800㎡)での試算
※2:トリプルガラス搭載機種とVIG省エネ扉搭載機種との比較。ショーケースFLD-EV0377LA×4台、冷凍機OCU-NL 1501F 6300W(蒸発温度-40℃、50Hzの冷凍能力)、ガラス面ヒーター ガラスの曇り防止のため霜取り時のみ通電(霜取り時間1日30分×2回)
設備導入からメンテまで対応顧客に頼られる機器メーカーに
2月のSMTSでは、REシリーズの再訴求と、来期からのグループ再編により新会社として再スタートする決意を込めて、「RE:START for Real Value」を展示のテーマに設定。REシリーズとイフリオシリーズのアピールに力を入れる。

REシリーズは、顧客が抱える課題ごとに、そのソリューションにつながる製品を紹介する、課題解決型の展示を計画している。例えば、近年ニーズが高まっている省エネについては、VIG省エネ扉搭載機種を訴求。とくに内蔵形タイプはSMTSにて初披露となるため、その特長を来場者に実際に目で確かめてもらう機会にする考えだ。加えて、「冷媒のノンフロン化をどう進めていくか、パナソニックとしての考え方がわかる展示にしたい」(高山主務)としており、イフリオから小型ショーケースまで幅広いノンフロン製品を提案する。また、最近増えている狭小店舗に向けた大量陳列が可能なショーケースや、使いやすさと売場空間との親和性が評価されグッドデザイン賞を受賞したショーケースなども訴求する計画だ。

SMTSでは、VIG省エネ扉搭載の冷凍リーチインケースも展示する
このほか、一昨年の展示でも紹介した、遠隔で省エネ運用や機器異常の早期発見に貢献するクラウド型サービスと保守・メンテナンスを組み合わせた「エスクーボ見守りサービス」も提案する。設備の導入から運用まで一貫して顧客を支援する体制を示すことで、頼れる機器メーカーとなることを目指す。
出展ゾーン:設備・資材
ブース番号:7-211

















