未曽有の少子化も共働き世帯増加で需要は拡大

 今年6月、乳幼児を育てる子育て世代にとって、衝撃的なニュースが流れた。キユーピーが育児食(ベビーフード・幼児食)から撤退することを明らかにしたのだ。発表によると、約1年後の2026年8月末に育児食の生産・販売を終了するという。発表直後のSNSには、「これから何を購入したらいいのか」「選択肢がなくなる」といった驚きや悲しみの声が多く寄せられた。

 同社が育児食に参入したのは1960年。71年には、国産初の瓶詰めタイプを発売し、利用シーンの変化に合わせた容器形態の工夫、離乳食初期(月齢5カ月頃)から幼児食(1歳以降)まで揃う豊富な商品ラインアップなどで、主力メーカーの一つとして長年、市場をけん引してきた。

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