シャボン玉石けんは、化粧品・トイレタリー容器の再生事業を行うBEAUTYCLE(ビューティクル)と北九州市立病院機構・北九州市立八幡病院と資源循環リサイクル実証実験に関する協定を今年8月に締結した。3者は同月22日から1年間、連携・協業し、使用済みプラスチックボトルの水平リサイクルの実証実験を実施する。福岡県北九州市に本社を置くしゃぼん玉石けんは、今回の検証により、九州エリアの病院や介護施設での業務用ハンドソープの水平リサイクルを広げていく意向だ。

 仕組みは、八幡病院内で使用されている同社の業務用ハンドソープ「手洗いせっけんバブルガード」の使用済み容器を回収。佐賀県にあるビューティクル工場にて洗浄、粉砕、樹脂化の工程を経て、同商品の新たな容器として再生し、同病院内で再利用するもの。この取り組みを通じ、プラスチックを削減、環境への負荷を減らすことで持続可能な社会の実現を目指す。

 八幡病院はこれまで、衛生管理上の観点から、使用後のボトル容器は詰め替えをせず、ボトルごと処分していた。病院での循環型リサイクルの取り組みは珍しく、シャボン玉石けんマーケティング部の川原礼子氏は「成功事例をつくり水平リサイクルの取り組みを業界内に広めていきたいです」と意気込みを示した。

 シャボン玉石けんは2019年に北九州市と「SDGs 包括連携協定」を締結。これを皮切りに、八幡病院を始め、産学官民と連携し勉強会やイベントなどを定期的に開催、手洗いの啓発や感染症対策の促進に努めている。企業理念の「健康な体ときれいな水を守る。」をもとに、商品の中身だけでなく、環境配慮型の容器を推進し、業界内でのSDGsの活動をリードしていく構えだ。

(冒頭写真 左から北九州市立病院機構・北九州市立八幡病院岡本好司院長、BEAUTYCLE杉山大祐社長、シャボン玉石けん森田隼人社長)