今の人時の9掛けでサービスレベルを高める

 イオンリテールは2026年度から5カ年の新中期経営計画でGMSとしての強みを改めて追求し、各戦略に落とし込んでいく。「我々は国内最大級の商業施設として合計650万㎡という器を持ち、そこでは約12万人の従業員が日々働いている。売り場では日常品からシーズン、オケージョンまでフルラインの品揃えを展開し、年間のID-POSデータは約8億件。それらのアセットをフルに発揮した営業戦略やDXとは何なのか。そもそも我々はGMS本来の強みを生かせているのか。そうした原点に立ち返り、社内で議論を重ねた」。取締役常務執行役員 営業・ディベロッパー担当の石河康明氏(冒頭写真)は、新中計の骨子や方向性をそう表現する。

 始動した新中計は難題と隣り合わせだ。ただでさえ、小売業は人件費が上がり続ける中で生産性を向上させ、トップラインを引き上げるという舵取りを迫られている。イオンリテールではすでにAIを使った業務効率化を推進しており、過去のデータを基に最適な値引き率を割り出す「AIカカク」、従業員が入力した翌月のシフトや休みの希望から最適な勤務計画を作成する「AIワーク」、過去の実績や曜日特性などから客数を予測し自動発注を行う「AIオーダー」などを導入済みだ。そうした先進的な取り組みが奏功し、前中計の4年間では20%以上の生産性向上に成功。削減した人時を生鮮食品やネットスーパーの強化、衣料品の「ダブルフォーカス」や輸入食品の「カフェランテ」といった専門店モデルなどの成長領域に戦略的にシフトさせている。

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