ニトリホールディングス(HD)は10月14日、同社初となる「新商品展示会」を東京本部(東京都北区)で開催した。ソファやベッドなど主力の家具用品に加え、キッチン用品 、収納用品、家電など計約70アイテムの新商品が出揃った。

 中でも注目はニトリが第4の事業の柱として掲げる「家電製品」だ。昨年11月に発売し話題を呼んだ10万円以下のドラム式洗濯乾燥機の最新モデルとして、「ヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機」(税込み14万9000円・12㎏)を10月下旬より全国のニトリ店舗および「ニトリネット」で発売する。昨今の物価高騰を受け、「『高いから買い変えられない』従来のドラム式乾燥機ユーザー」をターゲットに、さらなる新規顧客獲得を目指す方針だ。

15万円以下の「ヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機」が発売

 既存商品からの一番の進化は「速乾性」にある。ヒートポンプ式乾燥機は、衣類のダメージを低温で抑えながら電力消費を削減する一方で、乾燥に時間がかかるという課題があった。それを今回新たに搭載した「サポートヒーター」で解決する。乾燥前にドラム槽内を効率的に加温することで、乾燥効率を高め、よりスピーディな乾燥を可能とした。似鳥昭雄会長(冒頭写真・左)は「他社が20〜30万円前後の価格で発売している中、半額近い金額で乾燥効率を高めた画期的な商品」と自信を見せる。

 ニトリでは、家電売り場の導入店舗を将来的には全店に進めていきたい意向だが、現在、2000店舗うち約6割が新しい売り場に変わっている状況だ。店舗の大きさによって、取れる売り場面積は異なるが、「面積を大きくとっている大型店舗の効率は確実に上がってきている」と永井弘常務執行役員(冒頭写真・右)は説明。大型家電の売り上げは、これまでの一人暮らし用のエントリーモデルではなく、ファミリー層が支持する品揃えの拡充により拡大。ニトリは今後も家電をフックにファミリー層を中心とした顧客の裾野拡大に力を入れる意向だ。