ドラッグストアのインバウンド人気商品といえば化粧品、OTC、菓子。売れ筋は基本どのチェーンも変わらない。そんな中、スギ薬局はグループ会社「薬日本堂」を差別化の切り札に据えた。〝予防と養生〟を重んじる漢方は、いま世界で高まる健康志向と重なり合う商材だ。日本発のヘルスケアを武器に、次の成長ステージへ歩を進める。
〝活元茶〟をフックに悩みに応じた商品を提案
「お試しはいかがでしょうか」。スギ薬局の従業員の前で、着物姿の外国人観光客が次々と足を止める。従業員が手に持つのは漢方茶。夏の疲れを癒す〝活元茶〟だ。
浅草の新仲見世通り。今年6月にオープンした「スギ薬局新仲見世店」(東京都台東区)は、スギグループの漢方専門店・薬日本堂が関東で初めてショップイン形式で出店した店舗だ。1階フロアに掲げられた木目調の看板が存在感を放ち、直営店同様に食品からスキンケアまでフルラインアップを展開。両社のシナジーを体現する格好の舞台となっている。