物価高や生活コストの上昇を背景に、日常生活のあらゆる場面で「節約」がキーワードとなる中、米ウーバー・テクノロジーズが日常支出を抑える実用的な機能群を相次いで打ち出している。
5月14日に発表された「Go-Get 2025」イニシアチブでは、通勤や配達サービスの割引に加え、買い物と外食での新機能も提示された。ウーバーイーツのアプリ内で展開予定の「セービング・スライダー」と、飲食店での利用を促す新機能「ダインアウト」である。
食料品リストに応じて自動で価格比較
ウーバーイーツの新機能「セービング・スライダー」は、ユーザーが作成した食料品リストに基づき、店舗内の商品価格を比較したり、近隣のより割安な店舗を推奨したりすることで、自然な形で節約を促す仕組みとなっている。アプリ内でスライダーを右に動かすと、価格が安い代替品が提示され、ユーザーはその場で変更を確定することが可能だ。
この機能は、特売日やチラシに依存しない、パーソナルかつリアルタイムな価格最適化手段と言える。ウーバーはこれにより、平日の夕食やランチ用の軽食まで、支出を抑えながら計画的な買い物が可能になるとしている。
アメリカでも家庭の食料品支出が増加しており、特に低所得世帯において価格感度は極めて高い。「セービング・スライダー」は、単なる利便性向上機能ではなく、日常における生活防衛策としての役割を果たすことも企図しているようだ。
外食市場へも本格進出
もう一つの注目は、ウーバーイーツを通じて店内飲食を促進する新機能「ダインアウト」である。アプリ上から直接、実店舗で利用できる割引やキャンペーンを探し、即時に取得できるというもので、従来の宅配中心の体験を拡張するものとなっている。
また、レストラン予約サービス大手「オープンテーブル」との連携により、アメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、アイルランド、オーストラリアでは、ウーバーイーツのアプリ内での予約機能が提供開始される予定だ。ウーバー・ワンの有料会員は、人気レストランの優先席にアクセス可能となる特典も付与される。
さらに、アプリ内からワンタップでレストランまでのライドを予約できる機能も実装予定であり、飲食から移動までをシームレスにつなぐエコシステムの構築が進んでいる。オープンテーブルのVIP会員は、今後ポイントをウーバーおよびウーバーイーツで使用できるようにもなるとされており、ロイヤルティ・プログラムの融合による相互送客効果も見込まれる。