「下馬評を覆す逆転劇」。業界関係者の多くが驚きを持って受け止めたのが、トライアルホールディングス(HD)の西友買収だ。買収金額は約4000億円で、これによりトライアルは西友の店舗242店、売上高約5000億円を手に入れ、単純合算で売上高1.2兆円、小売業界ではセブン&アイHD、イオン、ファーストリテイリング、PPIH、ヤマダHDに次ぐ6位に躍り出る。

 買収社の本命と見られていたのはPPIH、イオンの2社だが、少なくともイオンは「早い段階から引き気味だった」と業界関係者は明かす。理由は西友店舗の老朽化だ。西友は立地こそ良いが、店舗年齢が古く、傷んだ店が少なくない。その修繕費用がバカにならないというのだ。特にセブン&アイHDとイオンに対する国の査察は厳しいとされる。古い店はダイエーで懲りごりといった思いもあったことだろう。

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