外食産業大手のヤム・ブランズが、傘下のKFC(ケンタッキーフライドチキン)の米国事業本社を、ケンタッキー州ルイビルからテキサス州プラノのグローバル本社へ移転すると発表した。また、これまでリモート勤務を行ってきた米国内の従業員についても、今後は実際に業務を行う事業所へ異動を求めるとしている。
テキサス州は、税負担が低いことから、近年同州に本社を移す企業が多くなっているが、KFCは、ヤム・ブランズの礎を築いた代表的ブランドで、社名にケンタッキーの名を冠していることもあり、本社のテキサス州移転には、地元ケンタッキー州から失望の声もあがった。
ヤム・ブランズの最高経営責任者(CEO)であるデビッド・ギブス氏は、今回の決断が「企業文化や人材の結束を高め、持続的な成長をもたらす」と説明。複数の地域に点在する人材をより密接に結びつけることで、イノベーションやブランド力の強化につなげる狙いを示した。
同時に、ヤム・ブランズおよびKFC財団が、引き続きルイビルにオフィスを残し、タコベルやハビット・バーガー&グリルの本社を置くカリフォルニア州アーバインとは別に、同地での事業活動を継続することも表明。さらに、KFCがルイビルにブランドの象徴となる旗艦店を建設する構想を示したほか、ヤム・ブランズはルイビル大学ビジネスカレッジに対して100万ドルの基金を拠出し、ケンタッキー州内の学生を支援する奨学金制度や「ヤム!センター・フォー・グローバル・フランチャイズ・エクセレンス」の充実を図る計画も打ち出した。
(冒頭画像はヤム・ブランズのホームページ)