ミニストップが店頭のデジタルサイネージを利用したリテールメディアの展開を強化する。12月3日から、新たにLMIグループが運営するリワード提供型リテールメディア「トクスルビジョン」を導入。お客がサイネージに表示されたQRコードをスマホで読み込み、LINEを介して、広告主のアプリダウンロードやアンケート回答などのアクションをすることで、ミニストップでのみ使用できるクーポンを入手できる。
広告サービスを手がけるLMIグループはこのリワード技術で特許を取得しており、お客はその場でクーポンなどのリワード(報酬)を得られ、広告主はお客のアクションによりデータを取得でき、ミニストップは来店動機の創出や客数増などの効果が見込まれる。
12月4日に行われた記者発表会で、ミニストップ商品統括本部長の五郎川隆氏は「これまでサイネージで放映する内容は自社のファストフード商品が中心だったが、お客様の視認率が非常に高いため、ファストフード以外の展開で店舗全体の売り上げを取っていく。アプリや売り場での展開を合わせることで販売の伸長につなげたい。今回のリワード広告は、そうしたデジタルサイネージ活用の一つの大きな取り組み」と力を込めた。
この「トクスルビジョン」はコンビニでは初の取り組み。ミニストップはレジ上サイネージを備える約890店で展開し、2025年2月末までに1000店展開を目指す。また、職域・オフィス内のサービスである「ミニストップポケット」約1200拠点のサイネージでも展開するほか、ミニストップのアプリや店頭ポスターなどからもアクションの条件を満たすことでクーポンを得られる。
LMIグループ副社長の望田竜太氏は「リテールメディアではいかに愛着を持ってもらえる広告づくりをできるかが最重要。来店者の心境や文脈を理解し、来店しているというシチュエーションに寄り添って、アクションしてくれたことに対してしっかりお返しをしていく。この一つの解がトクスルビジョンだと思っている」と胸を張る。
また、広告主である楽天グループのアカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャーの秦俊輔氏は「コンビニ店舗で顧客に訴求できることで認知向上が見込め、アプリのダウンロードによってサービスの利用にもつながる。シチュエーションマッチングとコンバージョンが期待できるという二点が導入の決め手になった」と狙いを説明した。
ミニストップは今回の取り組みを「生活応援情報メディア」と位置づけ、お客の利便性向上に力を入れていく考えだ。