ウォルマートは10月2日、従業員向けの「がんCenters of Excellence(COE)」プログラムの拡大を発表した。同プログラムは、メイヨー・クリニックとの協力により、がんと診断された従業員が国内トップのがん専門医の診断や治療が受けられるよう支援するものである。

 従来、ウォルマートのがんCOEプログラムは、乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、膵臓がん、血液がんなど、主要ながんに焦点を当てていた。今回の対象拡大により、ウォルマートの医療プランに加入している従業員およびその扶養家族は、ほぼすべてのがんに対して同様のサポートを受けられるようになった。

 ウォルマートのグローバル・トータルリワード部門のシニア・バイスプレジデントであるキム・ルポ氏は、「がんの診断は、身体的、感情的、経済的に非常に困難な時期をもたらす可能性があり、専門的な医療の知識が得られることが非常に重要だ」と述べた。

 ウォルマートのがんCOEプログラムは、がんと診断された従業員またはその家族が、地元の医師からの治療計画を基に、メイヨー・クリニックの専門医による診断と治療オプションの再評価を受けることができる仕組みだ。

 メイヨー・クリニックは、複雑で難治性の疾患に対して高度診療を行う医療機関。ここで、患者の診療記録をレビューし、より適切な治療法を提供できる場合、患者は同クリニックでの治療を受けるための移動が提案される。

 記録の確認、メイヨー・クリニックへの移動、および現地での治療は、すべて従業員に費用負担なく提供される。移動には、患者と1名の介護者のための航空券、宿泊費、食事代も含まれる。

 また、メイヨー・クリニック以外で治療を受けた場合は、自己負担額およびコインシュアランスが適用されるが、COEプログラムを通じて、従業員がより質の高い治療を受けられるようサポートしている。

 アメリカがん協会の予測によれば、2024年には米国で初めて年間200万件を超える新たながん症例が発生する見込み。

 メイヨー・クリニックの神経学教授であり、契約および支払者関係の医療ディレクターを務めるライエル・K・ジョーンズ・ジュニア医学博士は、「雇用主と直接連携することで、質の高い医療を受けやすくし、毎日より多くの患者に最良の結果をもたらすことができる」と語った。