ウォルマートのオムニチャネル戦略が加速している。8月27日にサンフランシスコで開催された、販売者向けイベント「Let’s Grow! 2024 ウォルマート・マーケットプレイス・セラーズ・サミット」にて、新たなカテゴリーとオムニチャネルソリューションを発表したのだ。
ウォルマートのeコマースプラットフォーム「ウォルマート・マーケットプレイス」は、過去4四半期連続で3割以上の増収を達成しており、2023年の世界売上高は1000億ドルを超えた。米国のeコマース市場が6四半期連続で2桁成長している追い風もあるが、ウォルマートに商品を供給する販売者数は23年度に20%増加した。
今回発表された新戦略は主に三つで、①プレミアムビューティの導入、②中古品市場の拡大、③コレクティブル(収集品)カテゴリーの強化となっている。
プレミアムビューティ、中古品、コレクティブル
1)プレミアムビューティ: COSRX(コスアールエックス)やT3などのブランドを含む20以上の新ブランドを提供し、カスタム化したストアフロント画面と記事コンテンツによって、顧客に洗練されたブランド体験を提供する。
2)中古品: 中古品のための最初のデジタルデスティネーション(専用サイト)である「リソールド・アット・ウォルマート(Resold at Walmart)」を導入する。1700以上の販売者から提供される500万点のアイテムを備えた品揃えにより、顧客は高級ファッションや電子機器、スポーツ用品など広範な商品を選択できる。
3)コレクティブル:コレクター向けの商品カテゴリーを強化し、売り手がプレオーダー(先行注文)を有効にする機能を追加した。この新機能により、ウォルマート限定のリリースを含む、顧客の期待を高めることができる。10月31日まで、アクションフィギュア、人形、トレーディングカード、スポーツ記念品、漫画本、レコード、楽器などに対して手数料を無料にする。
リアル店舗との連携が最大の強み
ウォルマートにとって、デジタルと統合されるリアルの店舗が大きな強み。特に、マーケットプレイスのタイヤ販売者と全国2300カ所のオートケアセンターを結びつける取り組みや、全国4600以上の店舗での返品受付などが好例だ。
また、新たに発表された「ウォルマート・ローカルファインズ(Walmart LocalFinds)」は、地元の売り手の商品を直接顧客に届ける仕組みで、まずはアトランタとダラスで今秋に導入される予定だ。
ウォルマートUS副社長兼EC最高責任者であるトム・ワード氏は、「ウォルマートは、毎日、あらゆる季節、あらゆるアイテムにおいて顧客の第一選択となることを目指している」と述べている。