出光興産はモビリティサービスに特化した専門店「apolloONE(アポロワン)」の新業態であるレンタカー専門店「アポロワン鹿児島中央駅西口店」(鹿児島市)を10月1日にオープンした。

 レンタカー専門店の展開にあたっては8月から1号店の対象となる店舗をプレオープンし、需要に合わせた車両の整備などを検証。観光名所が広範囲に点在する鹿児島ではレンタカー需要が高まっていることから、1号店として本格オープンした。「給油をしないサービスステーション(SS)」であるアポロワンは2023年10月の開始以来、洗車・コーティング専門店、車販売・買取専門店、車検専門店を展開しており、レンタカー専門店は4つ目の業態となる。また、今回のオープンで10店舗目となり、30年までに全国で約250店舗まで拡大する方針だ。

 出光興産は23~25年度の中期経営計画において、「スマートよろずや構想」を掲げている。同構想では、「エネルギー」「モビリティ」「コミュニティ」の三つの機能を強化することで、全国6000カ所以上のSS「apollostation(アポロステーション)」を生活支援基地へと変革することを目指す。21年の開始以来、各地域で特約販売店が独自に取り組みを展開するほか、同社でも複合型ランドリーサービスやホームエアコンクリーニング、超小型EVのモニタリングなど、さまざまな実証実験を行っている。

 9月30日に都内で行われたアポロステーション事業概況および新テレビCM発表会で、出光興産上席執行役員販売管掌(兼)販売部長の小久保欣正氏(冒頭写真右)は「地球のために2050年までのカーボンニュートラルを目指さなければならない。そうすると、我々が販売している化石燃料は徐々に需要が落ちてくる。6000のネットワークはお客様を支える最後のライフラインとして、今の商売を押し広げる形で生活インフラ拠点として進化させる」と力を込めた。

 また、同社は10月1日から、ゼオンノース従業員の通勤用車両と社有車に「出光カーボンオフセットfuel」を試験導入し、通勤時などに発生するCO2排出量のオフセットを検証する取り組みも始めた。出光カーボンオフセットfuelは出光興産が販売するカーボンクレジット付燃料で、燃料油の使用時に排出されるCO2をボランタリーカーボンクレジットによりオフセット(相殺)し、燃料の使用量に応じたCO2オフセット量を明記した証明書を発行する。脱炭素を促進する取り組みの一つで、従業員通勤車両への導入は日本初となる。約半年を実験期間と位置付け、その成果を踏まえて全国の企業へと販路を広げる考えだ。

 新テレビCMの全国放映も10月1日から始まる。同CMでは女優の原菜乃華さん(冒頭写真中央)が小学生の男女10名の合唱団とチャーミングな歌と踊りを披露しており、発表会に登壇した原さんは「Sみたいなクネクネする動きと、SSのSをかけたダンスになっている。簡単に見えるかもしれないが、意外と難しい」と撮影の感想を語った。また、「こんなSSがあったらいいな」というお題では「食べ物がたくさんあるSS」という理想をイラストで紹介。「運転していると気分転換したくなったり糖分を補給したくなったりすると思うので、甘いものやごはんが充実しているSSがあったら素敵」と語り、会場を和ませた。