ドイツのメトロが8月28日、英国でのフードサービス流通事業(FSD)を拡大するため、ケータライトを買収した。

 ケータライトはフードサービス配送専門会社で、人気の観光地である湖水地方を中心とした英国北部地域に強固な地盤を持ち、ホテル、レストラン、カフェなどのHoReCa(ホテル、レストラン、ケータリング)セグメントにサービスを提供している。

 2023年の売上高は4400万ポンドで、約200人の従業員を抱える。HoReCaセグメントで独立系を主体に2000以上の顧客にサービスを提供している。主要ブランドは、新鮮な食品や冷凍食品、食料品、付加価値製品の「ケータライト」および、飲料の「グレイプバイン」の二つ。三つの拠点から70台のマルチ温度管理のトラックで供給されている。売上高の60%はウェブショップ経由だ。

食材流通サービスを売り上げの3分の1に拡大

 メトログループにはヨーロッパ、中東、さらに日本を含むアジアの計11カ国で事業を展開する高級食材専門店のクラシック・ファイン・フード(CFF)があり、30年までに、全売り上げに占めるFSDの割合を33%に引き上げる目標を掲げている。

  ケータライトはCFF UKを補完し、プレミアム顧客を主にロンドン大都市圏、南西部、英国中部地域のプレミアム顧客に食材を供給し、両社間でのクロスセリングも行う。

 メトロは近年、FSD専門企業の買収を加速している。15年にCFFグループを買収し、16年には、DACH地域(ドイツ、オーストリア、スイス)に強いランジス・エクスプレス(現Rエクスプレス)を買収した。

 17年には、フランス首位のプロアプロを買収し、さらに20年10月には、1万3500件以上のHoReCa顧客を抱えるポルトガル第2の食品配送会社アヴィルドグループを買収。そして20年末には、バレアレス諸島およびカナリア諸島に強いスペインのダヴィジェル・スペインを買収した(プロアプロ・スペインにリブランド)。

 21年9月には、オーストリアのC&C アプホルグロスマルクトGmbH(AGM)とその配送事業を買収。23年5月には、スウェーデンとフィンランドの大都市圏で4000以上のHoReCa顧客を抱えるスウェーデンの配送専門企業ヨハン・イ・ハレン&ベルグファルク(JHB)を買収した。