売り上げ利益ともに過去最高で中計のスタートダッシュは成功

 ライフコーポレーションの2024年3月期の連結決算は、営業収益が前年度比5.8%増の8097億円、経常利益が同24.6%増の249億円と、増収大幅増益で着地した。岩崎高治社長は、「営業収益は実質20期連続の増収。経常利益はコロナ初年度の20年度の異常値を除けば、実質過去最高益」と胸を張る。同社は、「30年に売上高1兆円、経常利益350億円、当期純利益220億円、400店舗」の目標を掲げ、その実現に向けた第7次中期経営計画を昨年度開始したが、「スタートダッシュとしては成功」(岩崎社長)と言える中計初年度の実績となった。

 トップラインの伸長に寄与したことの一つが出店だ。主要食品スーパーのほとんどが1桁台の出店に留まる中、同社は2桁の10店舗を出店。首都圏と近畿圏という二大マーケットで事業展開する強みでもあるが、小型店を出店できる体制を整えている点も見逃せない。前期出店の10店舗のうち500坪を超える店舗は3店舗のみで残りは350坪未満。しかも、うち3店舗は200坪に満たない小型店だ。ドラッグストアやコンビニなど、異業態も含めた出店競争が激しくなる中、ライフでは、都市中心部に小型店を出店することで、ライバルに先んじてフードデザートの市場を取り込んでいる。岩崎社長は、「意図的に小型店の出店を増やしたのではなく、結果として小型店が多くなったが、これができたのは、10年ほど前から物流も含めプロセスセンター(PC)やサテライトキッチンなどの供給体制を整備してきたため」と説明。今後もチャンスがあれば、小型店の出店は進める構えだ。

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