地域密着メディアとしての取り組みが深化

 ファミリーマートのリテールメディア事業が新局面を迎えている。同社がこれまで進めてきたのは、店舗のレジ上部にデジタルサイネージを設置、顧客接点を広げつつ、広告配信で収益を得るモデルの構築だった。これをベースに、今期からはテレビ局、ラジオ局など地域で影響力を持つメディアと連携し、商品開発なども絡めた新たな展開に挑む。細見研介社長は、「店舗での情報発信と地域に根付く媒体との相性は非常に良い。我々がリードしているリテールメディアの領域でさらに特徴を出していきたい」と語り、引き続き成長の原動力として強化を図る方針を明確にした。

 遡ること2年前、ファミリーマートはコロナで変化した環境を踏まえ、再成長を実現する3カ年の中期経営計画を策定。その柱の一つが、コンビニの基盤を活用した新規ビジネスであり、サイネージを起点とした広告・メディア事業だった。サイネージ設置店は前期、大台の1万店に到達。規模の拡大と併せて実績も積み上げてきており、広告展開ではサイネージ、ファミペイアプリでの露出に加えて、売り場も連動して作り込む〝三位一体〟の企画が大きな成果を上げた。この象徴的な取り組みといえるコカ・コーラとファミチキの併買企画は、昨年度複数回にわたって実施、回を重ねるごとに効果値が上向いているという。

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