エイチ・ツー・オーリテイリング(H2Oリテイリング)は5月15日、子会社の関西フードマーケット(関西FM)を完全子会社化すると発表した。株式交換により、現在保有している株式58%(議決権ベース)を100%にする。これにより関西FMは7月末で上場廃止となる見込みだ。

 狙いについて、H2Oリテイリングの荒木直也社長は同日開催された決算説明会において「これまでイズミヤ、オアシスで行ってきた事業改革を(カナート、関西スーパーマーケットも含めた)食品スーパー4社で行うことで、売上高4000億円の食品スーパーの経営効率を高めていく」と語った。また「関西FMの独立上場会社としての維持コストが年々高まっていることから、特に人的コストの部分において、システム統合やバックオフィスの共通化などを進めていく」とも述べた。

 完全子会社化により、今後はH2Oグループの中でさらなるシナジー創出につなげたい考え。具体的にはグループの人材や設備の共有による効率化、購買の共通化によるスケールメリットを生かしたコスト削減、ITシステムの開発・運用一元化、子会社の食品製造会社との取引活発化、PB開発によるMD強化、グループの宅配会社との連携によるEC活用、H2O食品グループにおける事業戦略立案や実行支援機能の提供などを考えているとしている。

 同日H2Oリテイリングが発表した2024~26年度の中期経営計画の中で、同社は食品事業を「第二の柱」と位置づけているこの3年で約240店の店舗ポジションと役割整理、新たな店舗フォーマットでの展開、価格訴求型食品スーパーの開発、営業本部・本社機能の統合、26年度を目途にしたシステム統合などを行うことにより、食品事業の業績を23年度総額売上高(売上高+その他の営業収入)4256億円、営業利益71億円を、26年度総額売上高4530億円、営業利益115億円まで持っていく考えだ。(写真は阪急オアシス)