ローソンは5月から順次、デリバリー取扱商品数を従来の700品から3000品に拡大する。この度5000店を突破した「Uber Eats(ウーバーイーツ)」導入店舗において、店舗在庫の有無を自動でプラットフォーマーのアプリに反映するシステムを導入。店舗スタッフの業務負荷を解消することで品揃えを増やす。上期中をめどにウーバーイーツ導入全店での対応を目指す。

 これまでローソンのデリバリーでは、商品の在庫状況を店舗スタッフがマニュアルでアプリに反映していた。そのため反映遅れや漏れなどが発生し、注文通り商品が届けられないことが課題だった。4月19日の発表会に登壇した吉田泰治執行役員インキュベーションカンパニープレジデントは、「今回の自動連携により、店舗での在庫確認時間の9割が削減できる」と説明。簡素なオペレーション確立を機に商品数拡大に乗り出すとした。ちなみに拡大後の3000品は、セブンイレブンが展開するデリバリーサービス「7NOW」の商品数とほぼ同等になる。

 ローソンは2019年8月にウーバーイーツをコンビニとして初導入。その後、「出前館」「Wolt(ウォルト)」「menu(メニュー)」など各プラットフォーマーと連携を進め、現在デリバリー対応店舗数は5671店まで増加している。うち、OTC医薬品を24都道府県118店で展開しているほか、ゴーストレストランも東京・神奈川・千葉・埼⽟の80店で展開している。

デリバリーの売れ筋商品
ゴーストレストランで展開している料理メニュー

 吉田執行役員は喫緊の状況について、「デリバリーによる日販が10万円を超え、売上構成比の2割を占める店舗も出てきている」と手応えを語る。今後は、届け先のごく近隣の店舗から配送するというセンター出庫にはない利点を生かし、エリア内の空白地帯を無くすことで「最短15分」のクイックコマースの打ち出しも強める構え。吉田執行役員は、「デリバリーは『やれる店がやればいい』ではなく、ローソンの標準機能として広げていく」とし、「24年度はさらにスピード感を上げて取り組む」と意気込みを述べた。

吉田泰治 執行役員 インキュベーションカンパニープレジデント