ファミリーマートは3月29日、子会社のゲート・ワンとともに推進する店内へのデジタルサイネージ設置が全国47都道府県、合計1万店で完了したと発表した。

 ファミリーマートとゲート・ワンは全国約1万6300店の店舗網、1日約1500万人が訪れる顧客基盤を活用した広告事業を展開している。この度の1万店へのサイネージ設置完了により、1週間で約6400万人に接触可能なメディアとなった。

 また、2024年3月からはサイネージの新たな配信プランや、効果検証手法を拡大した強化メニューを広告主に公開している。

 新たな配信プランでは、従来の全国配信と四つのエリアへの出し分けから発展し、より細分化された単位での配信プランを正式にメニュー化した。これにより、都道府県別といった広告の出し分けが可能になるほか、オフィス街や学校周辺などの店舗に絞った「立地別」、特定の属性のお客が来店する比率の多い店舗に絞った「ターゲット別」での配信にも対応する。

 効果検証手法の拡大では、従来のPOSデータ、ID-POS分析、ファミペイアンケートなどの効果測定に加え、新たにAIカメラによる視認分析をメニューに加えた。これにより、配信期間中の視認率、視認者の属性の分析が可能となり、広告主にさらに深い情報を提供できるようになる。なお、現在のサイネージの視認率は64%まで高まっているという。

 ファミリーマートは1万店舗設置を記念し、対象期間に500万円以上の全国配信を申し込んだ広告主に、1枠無償で提供するキャンペーンを実施する。サイネージ展開において、国内企業では一足先に一定規模を確立したことをアピールし、リテールメディア事業の拡大に弾みをつけたい考えだ。