今年6月、協会設立25周年を迎える日本チェードラッグストア協会(JACDS)は、3月7日、東京・千代田区のホテルニューオータニで記念式典を開催した。


 開催に先立ち行われた記者会見で、池野隆光会長(ウエルシアHD会長)は、これまでのドラッグストア発展の理由として、地域に根差した事業を展開してきたことを挙げ、「商品や業態を変えながら進化してきことが、生活者に支持された証」と分析した。また、「今後も業界が成長していけるかどうかは、我々(ドラッグストア)自身の姿勢による」とも指摘。「店舗の在り方や従業員の接客力などを磨き、社会のニーズに応え続けられれば、(業界目標の)『2025年に売上高10兆円』も達成できる」との見方を示した。


 協会設立に携わった根津孝一副会長(ぱぱす会長)は、協会の歴史に触れながら、「医薬品登録販売者の制度化は、協会が主導し、業界が一致して国に働きかけたことで実現した。また、協会の活動によりドラッグストアの社会的な認知も高まった。今後も協会を通じて一致団結して取り組んでいくことが必要」と強調した。


 一方、次世代の役員は、「今後、協会の歴史を知らない人たちが協会活動を担っていくことになる。これまで築いた成果を次の世代に引き継ぎながら、セルフメディケーションにしっかり対応できる業界を作り上げていくことが重要」(松本清雄理事:マツキヨココカラ&カンパニー社長)、「社会の変化に適応してきた歴史の上に今のドラッグストアがあることを次世代のメンバーとも共有しながら、未来のドラッグストアの発展に寄与していきたい」(皆川友範25周年記念セレモニー実行委員長:アカカベ社長)と語り、先人の成果を引き継ぎながら、一層の発展に寄与する決意を示した。


 これまで順調に成長してきたドラッグストア業界だが、市場の成熟が指摘され、大手同士の経営統合など再編も進んでいる。この状況について池野会長は、「人口減少の中ではある程度そういうこと(再編)も予想される。ただ、生活者に役に立つということが(ドラッグストアの)価値であり、規模そのものが価値になるのではない」と指摘。規模の大小にかかわらず、生活者のニーズに応えた事業を展開することの重要性を強調した。