1月12日に都内で開かれた日本百貨店協会の新春の会。元日に起きた能登半島地震もあり、乾杯はなかったが、コロナ禍を乗り越えて4年ぶりに通常の開催となった会は、笑みがあふれていた。インバウンドが戻り、日本百貨店協会加盟社のインバウンド売上高はすでにコロナ前を上回って絶好調。株価の上昇もあり、国内の富裕層の購買意欲も旺盛だからだ。
しかし、そうした明るい雰囲気の中にあって、ひそひそ話をするグループがいくつもあった。耳を立てるとこんな会話が聞こえてきた。「あれでは、(百貨店として)経営はできないでしょうね」「地方店に(商品の)供給は無理だね」「ヨドバシさん(ヨドバシホールディングス・〈HD〉)は厳しいね」。