アオキスーパーは1月5日、経営陣が参加する買収(MBO)を実施すると発表した。創業家一族の資産管理会社「青木商店」が公開買付者となり、普通株式1株当たり3800円(5日終値は2640円)で公開買い付け(TOB)を行うことで、非上場化を目指す。
買付期間は1月9日から2月20日まで。資金は三菱UFJ銀行から借り入れる。現在、公開買付者等がアオキスーパー株の50.47%を取得しており、これに加えて議決権数で3分の2以上を満たすべく、買付予定数の下限を80万5500株と定めている。
MBOの背景には、アオキスーパーを取り巻く競争環境の激化がある。同社の青木俊道社長はこれに対応すべく、①DX推進、②既存店活性化による競争力強化、③サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コスト最適化、④人的資源強化によるオペレーション向上・人員配置適正化の四つの施策を標榜した。一方で、これらの取り組みが一時的に業績を悪化させる懸念があること、また上場会社であることのメリットが低下しており、上場維持が人的・金銭的に負担になっていたことなどから株式の非公開化を決断。これにより株主のリスク負担を回避するとともに、四つの施策の円滑な推進を図るとした。
今後の体制については、MBO後も青木俊道社長が継続して経営にあたる予定。アオキスーパーは同日発表の24年2月期業績見込みについて、利益面を上方修正した。一方でMBOの成立を前提として、株主配当を無配とし株主優待制度の廃止を発表している。