累計本数2000万本以上を売り上げた「たっぷりたまねぎポン酢」でおなじみの徳島産業が〝だし〟の『旨味』にこだわった新発想の味付けポン酢「本気の白だしポン酢」を今秋に発売した。同社は同シリーズの拡大だけでなく、食品ロス削減への取り組みや物流改革、ECの立ち上げなど新たな「発想」と「挑戦」で成長を遂げてきた地域発の有力企業だ。

累計2000万本のシリーズに「だし」の旨味の新商品が登場

「だし」へのこだわり――。徳島産業がポン酢の開発で徹底したのはこの1点に絞られる。園木悠司本部長取締役は「供給側には、ポン酢は果汁の割合や産地だけでおいしく高級にできるという思い込みがあります。メーカー間の果汁だけに力点を置いた開発競争から脱却し、お客様視点で『本気』で味わいを見直し、日本人本来のおいしさを楽しめる『だし』の見極めに力を入れました」とその理由を強調する。

 そこで、今までのポン酢にはなかった白だしに着目し、開発したのが「本気の白だしポン酢」だ。「風味、香り、旨味」の三拍子をもとにお客目線で開発。豊かな風味と香り立つ焼津産かつお、上品な深みのある北海道産利尻昆布、濃厚な旨味の瀬戸内産煮干しの三つの国産だしの原材料をバランスよく配合。そこに、国産大根と地元徳島県産すだち果汁の酸味をたっぷりと加えた。一口食べると濃厚なだしと調和のある味わいが広がる。

 食シーンとしては、鍋料理やハンバーグ、揚げ物、サラダのほか、あっさりとした湯豆腐、しゃぶしゃぶなどのメニューがだしの旨味でおいしくなる。パッケージは割烹店のような高級感のある白を基調に店頭で訴求していく。実際に気温が低くなり、鍋関連商品が好調なことから、それに伴い「たっぷりたまねぎポン酢」と同様に、関東を中心に売り上げが順調に伸びている。

 園木章浩社長は「円安の進行、物価高やコロナ5類への移行など生活環境が大きく変化しています。このような外部環境の変化の中で、当社は企業理念『どこにもない味、心に残る美味しさ』を提案していきます。大手メーカーの寡占化が進む中、当社は個性を大切にし、新たな技術やトレンドを積極的に採用。新たな発想と挑戦をもとに、食の未来をデザインする企業として『美味しく、楽しく、健康』な食生活に貢献していきたい」と力強く語る。

左から今年の新商品「本気の白だしポン酢」「ザクザクシャキシャキたまねぎ酢」

「かける、漬ける、焼く、混ぜる」でメニュー提案を強化

 その企業理念を具現化したのが今春発売したヒット商品「ザクザクシャキシャキたまねぎ酢」だ。粗いみじん切りで食感のあるたまねぎをたっぷり入れ、リンゴ酢とオリゴ糖を使い、たまねぎ本来の甘みも感じられる汎用性の高い調味料だ。「かける、漬ける、焼く、混ぜる」など様々な方法で、料理にもそのまま使え、簡単においしいたまねぎ酢の料理に仕上がる。例えば、マヨネーズと混ぜるとタルタルソースになるなど使い勝手の良い料理素材としてお客の支持を集めている。

 園木取締役は「POSデータを分析すると調味酢カテゴリーの需要は非常に大きい。ハンバーグやピクルスなどお酢を使ったメニューのニーズも高いことから、そこに健康感の強いたまねぎをふんだんに入れ、まだ取り切れていない新規ユーザー層を取り込みます」とメニュー提案を強化していく構えだ。

 また容量は400mLで希望小売価格を270円(税別)に抑えることで、お買い得な価格を実現。様々な料理や素材としてたっぷり使うことができる。定番の味付きお酢売り場を中心に、ポン酢売り場の活性化に貢献している。

「本気の白だしポン酢」は「だし」の旨味で湯豆腐やしゃぶしゃぶ、パスタ、ハンバーグなどさっぱりした料理を幅広く楽しめる

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