コロナ禍以降のニーズの変化に対応したエスビー食品が秋冬新商品を打ち出す。2023年秋冬商品では新商品32アイテム、リフレッシュ品31アイテムの合計63アイテムをラインアップ。発売後1年間の売り上げ合計目標(小売りベース)は約200億円を目指す。

ピクルスをチューブ調味料で投入

 香辛料カテゴリーでは、粘体香辛料で培ってきた調合技術を生かした使いやすいチューブ調味料「粗切りピクルス」を発売する。きゅうり、玉ねぎ、赤ピーマン、黄ピーマンなど、刻んだ大きさが異なる複数の素材を使用し、シャキシャキした食感と見た目の彩りにこだわった商品。マスタードシードやセロリーシードなどのスパイスやハーブの香りで奥行きのある味わいに仕立てている。

 市場背景としては、パン食の需要が高まる中で、パンに使用する調味料はマンネリ化していることに不満を持つ層が多い。一方で、パン食との相性がよいピクルスは、その好印象度に比べ購入経験でギャップがあり、今後も成長が期待できる市場となっている。今回、使いやすいチューブタイプの商品を提案することで、パン食をはじめとした多様な潜在ニーズを充足する。

 食べ方としては、程よい酸味と甘みのバランスが生きるホットドッグやサンドイッチなどへの使用はもちろん、秋冬に多い洋風催事に向けたメニュー提案として、粗切りピクルスとマヨネーズを1対1で混ぜるだけの手作りタルタルソースのレシピも打ち出す。パッケージ側面にも多様な使い方を訴求するなど幅広い使用シーンの創出を提案する。


「粗切りピクルス」

 さらに、新たな調味料の開発で、潜在ニーズを掘り起こし提案領域を広げる。近年拡大する辛い味わいへのニーズに対応した具入り調味料「RICH HOT」シリーズがそれだ。その背景としてあるのがおかず系ラー油投入によるラー油市場の活性化。具材感や旨みを付与し、トッピングとして使える商品展開が使用シーンの拡大につながった。今回は、「タバスコⓇソース」とのコラボにより、新しいタイプの汎用辛味調味料を提案する。

 味は、完熟トマトや玉ねぎの旨みとハーブが際立つ爽やかな辛さが特徴の「トマト&オニオンソース」と、ガーリックの旨みと唐辛子の鮮烈な辛みが特徴の「ガーリック&チリソース」の2種類を用意した。いずれもソーセージやフライドポテトなどへのトッピングはもちろんのこと、ひき肉を使用して作るタコスへのアレンジも提案する。トレンドであるタコスを洋風催事でのパーティーメニューとして打ち出すことで、新しい汎用辛味調味料の市場定着を狙う。

「RICH HOT」、左から「トマト&オニオンソース」「ガーリック&チリソース」

ひき肉一つでできる即席ルウの「ワンミートディッシュ」

 また、簡便・節約志向が高まっていることから、そのニーズに対応する即席ルウ「ワンミートディッシュ」を進化させた。ひき肉300gとフライパン一つを使い、7分という簡単な商品の仕様だ。7分で完成する。包丁やまな板も不要で、表面加工されたフライパンであれば調理で油もいらないことも特徴だ。

 今回、リフレッシュ品の「キーマカレー中辛」はカレーとしての満足感を追求し、旨みとスパイスの香り立ちを強化。新たに追加した「デミチーズライスソース」は、香味野菜のコクを引き出したデミグラスソースに、ひき肉と相性の良いチェダーチーズを加え、旨みたっぷりで濃厚な味わいを実現している。またローレルやオニオンを加えることでメリハリのある味わいに仕上げた。子どもから大人までおいしく食べられるメニュー提案で即席ルウカテゴリーの底上げを図る。

「ワンミートディッシュ」、上から「キーマカレー 中辛」「デミチーズライスソース」

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