ローソンは8月22日から11月20日までの3カ月間、福島県と東京都の一部店舗でおにぎりを冷凍で販売する実験を行う。冷凍流通の拡大による物流効率化や、廃棄ロス削減などを見据えて取り組む。

 冷凍で販売するおにぎりは、焼さけ、赤飯おこわ、五目おこわ、鶏五目、胡麻さけ、わかめごはんの6種類。温めて食べる仕様上、解凍の過程で海苔が柔らかくなってしまう手巻きおにぎりや、温めに向かない魚卵系の具などを除き選定した。これらのおにぎりはこれまで通り常温のものも販売しつつ、POPなどをつけて冷凍ケースでも陳列する。

冷凍で販売するおにぎり6種類

 実験を行う店舗は福島県の10店、東京都の11店の計21店だ。福島県は、調査会社の調べで「全国で最もおにぎりを温めるか聞かれる県」であるとわかったことから、冷凍おにぎりと親和性が高いと見て実施を決めた。併せて東京でも実施し、地域差による支持の違いなどを検証する。

 ローソンは2022年11月に次世代型店舗「グリーンローソン」をオープン、同店にて冷凍弁当の販売を実施してきた。その中で、冷凍弁当の味については「常温とほぼ変わらない」と評価を得た一方、販売数量はなかなか常温のレベルまで至らない状況があった。その理由について、涌井和広上級執行役員商品本部副本部長は「今すぐ食べるものを冷凍で買うことに対して、お客様の中でまだ違和感がある」と指摘。今回の冷凍おにぎりの販売でこの違和感の払拭を図っていくとした。加えて涌井上級執行役員は、冷凍流通の拡大による新たな製造・物流・販売モデルの構築も展望。「サプライチェーンの課題である時間・距離の制約を冷凍技術で解消していきたい」と力を込めた。

 今後の冷凍おにぎりの展開は、24年度に一部エリア・店舗への拡大、25年度に全国拡大を一つの目標としながら結果を検証していく構えだ。

涌井和広 上級執行役員商品本部副本部長