先手必勝、後手でも必勝へ変化にしっかり対応

 実に4年ぶり。ユニ・チャームが毎年春先に取引先卸店39社のトップや役員を招いてその年の方針を明らかにする「2023年度有力卸店会」が3月9日、東京都港区虎ノ門のホテルオークラ東京で開催された。冒頭挨拶に立った高原豪久社長(冒頭写真)は、22年12月期決算が増収減益になった要因に触れ、「コロナの3年間は何もしなかった。何もできないことを言い訳にした結果、増収は為替が円安になったお陰、減益は原材料価格が上がったことがそのまま減益につながった」と反省を口にした。

 高原社長の社長就任は01年。出発の年という思いを込めて戦略方針を「発」の1文字に込めた。以来毎年その年が始まる前に世の中の環境変化を捉え、漢字1文字でそれを表してきた。今年の1文字は「先」。先手必勝、後手でも必勝。変化に先駆け先手を打つとともに、コロナでより早くなった変化にもしっかり対応していく。「コロナで何もしなかった」反省をバネにする戦略が「先」の1文字に込められている。とはいえ、ユニ・チャームが長期の戦略目標に掲げる「業界総資産の拡大」「共生社会の実現」は着々と進んでいる。

 例えば業界総資産拡大につながる価値転嫁は、ベビーケアで88SKU、大人用を中心にウェルネスケアでは167SKU、キレイケアが45SKU、ペットケアは実に662SKUで図られた。「価値転嫁をして販売金額と販売量両方が増えて、結果、業界総資産の市場の金額規模が大きくなった」典型的な商品として、大人用中度紙パンツとペットフード(とくに犬のドライフード)を挙げている。

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