デフレ下で形成された惣菜価格の「相場」が一変した

 惣菜業界が一気にインフレモードの競争に突入している。コンビニが800円台のこだわりカレーを販売すれば、毎日の食事を提供する食品スーパー(SM)も定番で1個300円のメンチカツを売る店舗が出現。もともとアッパー狙いの百貨店や専門店はさらに天井を突き抜けて、400円台のおにぎりを登場させるなど、文字通り「上限破り」の価格とセットの付加価値競争が業態を問わず勃発しているのだ。

 その引き金を引いたのは、言うまでもなく未曽有のコストアップだ。資源高、円安、最低賃金引き上げなどが同時に進行し、惣菜も原材料から包材、水道光熱費、物流費、人件費に至るまで、コストのすべてが高騰しているのは周知の通り。

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