イトーヨーカ堂は1月19日、今年のバレンタイン商品に関する説明会を開催した。
「義理チョコ」需要などが減少しているバレンタイン市場では、「自分のためにチョコを購入する人(自家需要)が年々増えている」という。そのような変化に対応したイトーヨーカ堂は、チョコ以外の原料も生かした商品の開発や自家需要の取り込みに注力。その結果、「2022年のバレンタインの売り上げ実績は前年比1割増と伸長した」と荒幡淳・グロサリー部銘店・食品ギフト担当マーチャンダイザー(MD)は説明する。
3年ぶりに行動制限のない23年のバレンタインは、「心が華やいだり、気持ちが明るくなるようなラインアップが揃っている」(ショコラコーディネーターの市川歩美氏)。そんな中でヨーカ堂は、19年度以降掲げてきたテーマ「すべての人が『楽しさ』『わくわく感』を感じるイベントに!」を継続。「商品力」「早期需要への対応」「ビジュアルでも楽しめる」の3つのポイントで売り場を展開する。
商品の取り組みでは、岐阜で2店舗を展開するパティスリー「TAKIMOTO」監修の「TAKIMOTO No2桜ショコラアソート4個入り」(864円、税込み以下同)や和食の銘店「季旬 鈴なり」の村田明彦氏と「日本橋ゆかり」の野永喜三夫氏が監修した「和奏(わかな)アソート12個入り」(1728円)などを新たに発売する。
早期需要への対応では、1月・2月で見た時の1月の売上構成比が年々増加していることを受け、施策を強める。19年に31%だった1月の売上構成比は、22年には48%となり、2月と同等の水準まで拡大した。今シーズンはネット通販でも早期対応に着手し、昨年11月から予約販売を開始。12月末時点の期間実績は計画比139%と好調だという。
ビジュアル面の訴求では、昨年デザインを手がけたイラストレーターの西田真菜氏が引き続き担当。今年のキーワード「みんな、甘くなる日。」から、「甘いものを食べたときのホッと癒やされるような優しい世界観を表現した」(西田氏)。そのほか、小中学生、高校生向けにそれぞれ手作りキット品をラインアップ。関連商材として、ディズニー100周年を記念した型抜きもヨーカ堂で先行発売する。
今年の商品別価格帯構成比は物価高騰を考慮し、粒単価201円以上の商品が昨年の18%から10%へ減少。その代わりに101〜200円の商品を48%から56%へ引き上げる。荒幡MDは「バレンタイン商戦に向け、やる気を出しているお店がいっぱいある。今年は前年比5%以上の売り上げ増を目指したい」考えだ。