欧米との物価上昇率の差が円安要因となった

 2022年は、数十年ぶりともいえる世界的な物価上昇に見舞われた1年となった。コロナ禍による供給不足をきっかけに、20年以降物価は上昇傾向にあったが、ロシアによるウクライナ侵攻がこれに拍車をかけた。ロシアに対する経済制裁と戦禍に見舞われたウクライナの供給能力の大幅低下により、原油、天然ガス、石炭、小麦など、多くの資源が供給不足に陥った。主要資源の世界的な需給逼迫は、副次的により広範なモノやサービスの価格を押し上げた(図1)。

 コロナ禍の経済対策規模が大きかった米国では、対策効果による需要の上振れも相まって、物価上昇率は一時10%に迫った。ロシアへの資源依存度が高い欧州でも、物価上昇率は10%を超えている。

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