小林製薬が運営する小林製薬青い鳥財団は2022年12月2日、22年度助成先および顕彰先の贈呈式・交流会を都内で3年ぶりにリアルで開催した。20年度、21年度の贈呈式はコロナ禍でオンライン開催だったことから、今回は全国で障がいや病気に悩む子どもとその家族を支援する団体が集まる貴重な機会ともなった。
同財団は22年6月6日から7月29日にかけて「2022年度 助成事業・顕彰事業」の公募を行い、選考委員会における厳正な審査の結果、応募総数83件の中から計22件(総額4500万円)の助成先・顕彰先を決定した。
同財団は、障がいや病気に悩む子どもたちとその家族にとっての「“あったらいいな”をカタチにする」ことを目的に、小林製薬が創立100期を迎えた17年に設立し、これまでに延べ62件の助成先・顕彰先を支援してきた。第6期目を迎える今年度も引き続き、障がいや病気に悩む子どもたちとその家族の支援や調査研究に携わる人々を幅広く公募し、その活動を支援することで、社会全体の「快」の増大に貢献することを目指している。
活動内容は助成事業と顕彰事業の二つで構成されている。助成事業は、障がい・病気に悩む子どもたちとその家族が抱えている様々な医療・福祉上の支援活動および、調査研究で日本国内において行われるものが対象。今回は支援活動15件、調査研究6件が選ばれ、支援活動には1件あたり100万~500万円程度、調査研究には1件あたり100万円程度が今後の活動支援のために贈られた。
顕彰事業[小林製薬青い鳥財団賞]は、障がいや病気を抱える子どもたちとその家族が抱えている様々な医療・福祉上の支援活動及び調査研究において、著しい成果を収めた個人または法人が対象となる。22年度顕彰事業は1件が選ばれ、記念品と副賞(300万円)がこれまでの活躍・成果を顕彰して贈られた。
支援活動受賞者代表で目録を受け取った一般社団法人チャイルドレスキューセンター代表者の草間裕子氏は、「3年にもわたるコロナ禍で活動支援金の調達に非常に苦労している中で小林製薬青い鳥財団に採択いただき、活動を支援いただいたことに感謝いたします。支援を無駄にすることなく、社会貢献に邁進し、財団のスローガンである『あったらいいな”をカタチにする』を形にして、あってよかったと心から思える活動をしていきます」と語った。
支援活動
名称 |
所在地 |
主題 |
一般社団法人チャイルドレスキューセンター(代表者:草間 裕子) |
東京都 |
ダウン症・発育困難等の障がい児とその家族への愛着形成及び発達促進の育児支援活動 |
特定非営利活動法人芸術家と子どもたち(代表者:堤 康彦) |
東京都 |
アーティストによる双方向動画コンテンツを通じた病児の心のケア活動 |
認定特定非営利活動法人スマイルオブキッズ(代表者:松尾 忠雄) |
神奈川県 |
病気や障害のある子どものきょうだい児を支援するための、預かり保育とシンポジウム |
おおさかチルドレンズクワイア カラフル(代表者:宮﨑 佐弥香) |
大阪府 |
2023年11月23日大阪城音楽堂にて開催する第3回チャイルドケモハウス・チャリティーコンサート開催計画 |
一般社団法人地域公益推進機構(代表者:小倉 順子) |
埼玉県 |
障がい児者の自助・自立を応援する『ちゃれんじど料理教室2023』 |
Learning Crisis研究会(代表者:柴田 邦臣) |
東京都 |
COVID-19下で揺らいだ「社会に関する学び」を支える「オンライン社会科見学」 |
Mテラス(代表者:三代澤 幸秀) |
長野県 |
シリアスゲームによる児童発達支援施設体験 |
全国医療的ケアライン(代表者:宮副 和歩) |
東京都 |
医療的ケア児と家族のQOL向上に向けた情報交換や社会啓発イベントの開催 |
一般社団法人スペサポ(代表者:鈴木 啓吾) |
東京都 |
医療的ケア児の家族が同じ境遇の家族や支援者と繋がるコミュニティサイトの開発 |
認定特定非営利活動法人スマイリングホスピタルジャパン(代表者:松本 惠里) |
東京都 |
病院、施設にて難病や障がいと闘う子どもたちに芸術プログラムを提供する活動 |
鶴ヶ丘一丁目町内会(代表者:鶴谷 民司) |
宮城県 |
特別支援学級の子ども達の地域体験と創作学習を支援するコミュニティ・プレゼント活動 |
のんのこ支援塾(代表者:高谷 有美) |
長崎県 |
特別な支援で輝く子どもたちのための「わかる・楽しい勉強塾」 のんのこ支援塾 |
特定非営利活動法人東京こどもホスピスプロジェクト(代表者:佐藤 良絵) |
東京都 |
小児がんや難病等の生命を脅かす病気とともに過ごすこどもの希望を叶える、ドリームルーム事業 |
一般社団法人みんなのレモネードの会(代表者:榮島 佳子) |
神奈川県 |
小児がん患児・きょうだい児のピアノコンサート(みんレモ音楽会) |
特定非営利活動法人ワンダーアート(代表者:高橋 雅子) |
宮城県 |
病児の心を彩り、障がい児の潜在能力を引き出すホスピタルアートプログラムの実践 |
調査研究
名称 |
所在地 |
主題 |
飯尾 美沙 |
神奈川県 |
小児喘息管理の継続支援アプリ”チャイルドアズマ”の効果検証 |
水野 智美 |
茨城県 |
オンラインを利用した保護者・保育者に対する発達障害に関する相談システムの構築と効果検証 |
稲田 雄 |
大阪府 |
小児入院患者の患者経験価値(patient experience,PX)の全国調査 |
小西 恵巳 |
京都府 |
食べることが困難な在宅療養児のひと口を支える親の経験 |
池澤 聰 |
東京都 |
小児・AYA期がん経験者(サバイバー)の心理社会機能に関する実態調査 |
高橋 優輔 |
東京都 |
難病とともに身体・精神・社会的課題を抱える子どもとその家族の疲労の量的・質的研究 |
【2022年度 顕彰先一覧(小林製薬青い鳥財団賞)】
名称 |
所在地 |
主題 |
特定非営利活動法人セルフ |
佐賀県 |
発達障がい者(児)の身だしなみサービスを提供し健やかに暮らせる地域社会創生 |