フレンドリーでフランク。日本流に言えば気が置けない、気さくな人と言えるだろう。事前の質問項目にない矢継ぎ早の質問にも丁寧に答えてくれる。足掛け10年日本に居たとあって、日本人と話しているような親しみも感じる。だが違うのは、常に前向きであることだ。計画通りいかなければ修正すればいい。建築費の高騰にはイノベーションで解決すればいい。外国人社長の真骨頂と見た。(インタビュアー・栗田晴彦)

ロボットが商品50点を6分で処理

 ――来年の開業に向け、千葉市に英オカドの技術を用いた大規模センター「誉田CFC」を建設中です。工事は順調に進んでいますか。

 ルパーニ すでに建物は完成し、今は中の設備を入れ始めたところです。コロナでサプライチェーンの問題があったり、なかなか出張に行けなかったりで、海外からモノを持ってくるのは大変な状況ではありますが、今までのところは予定通りに進んでいます。引き続き強力にプッシュして(笑い)、計画の来年半ばには是非ともサービスを開始したいと思っています。

 ――オカドのCFC(顧客フルフィルメントセンター)は、食品ECの倉庫では世界で最も先進的だと言われています。具体的にどう先進的なのですか。  

 ルパーニ 「オカド・スマート・プラットフォーム」はオカドが持つ技術の総称ですが、その一番の特徴はAIとロボットを駆使してセンターのオペレーションを自動化していることです。最新のAIを使って在庫や配送ルートを最適化し、ピッキング作業もロボットがやるんですね。そのため効率化が図れる上に、メンテナンスの間を除いて24時間ノンストップで稼働でき、欠品やミスも少ない。従って幅広い品揃えと大量の注文を処理することが可能です。と言って無人倉庫というわけではありません。ピッキングの前後の作業は人間がやりますし、エンジニアも常駐していますので。ですから我々の倉庫は人間と機械を最適な形で組み合わせることで、生産性を高めているんです。

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