DX推進に向けシステム投資が小売業で活発化している。アイネスでは、DXという言葉が盛んに言われる前から業界に先駆け、リアルタイムでデータを提供できるシステムを提案してきた。同社は1964年に創業し、90年には東証一部に上場。ソフトウェア・システムの開発・構築から保守・運用、ITコンサルティングまでIT環境の一貫サービスを手掛け、長年多数の取引先から信頼を得て、売上高422億円まで成長している。

 小売業向けには、流通基幹ソリューションの次世代型MDシステム「REAL MD」を13年頃から提供。「REAL MD」では基幹システムソリューション、商品周りのMDコアソリューション、発注や棚割り、EDIなどのMD支援ソリューションを提供しており、本部と店舗が携わるすべてのシステムを網羅している。

 これらの機能についてデータを溜めずにリアルタイムで情報提供できるのが「REAL MD」の最大の特徴だ。小売業の日々の膨大なデータ(レシート明細など)を高速処理して蓄積し、それをリアルタイムで演算処理して様々な業務支援につなげる。例えば、各店舗の商品の売れ行きや棚の出荷状況をリアルタイムで解析。商品の在庫数の確認、機会ロス削減、最適な補充頻度、発注精度の向上、オペレーションの負荷軽減を実現する。発注画面も薄いグレーと青だけのシンプルな色で見やすく分かりやすいように工夫を凝らした。発注に必要な情報はすべて揃っており、売り上げ、過去の発注数、天気、イベントなどを参考にしながら発注もできる。

 アイネス金融・社会ソリューション本部の木村浩之第2課長は、「『REAL MD』は店舗、本部の相互に確認できるリアルタイム性を最も重視しています。このデータ分析を活用したDXの第一歩として、経験による差が大きい属人化されたアナログから誰でも使えるデジタル化を推進。結果、収益力向上、魅力的な売り場作りにつなげることが可能となります」と力説する。続いて、「小売店が以前に比べリアルタイム性を最重要視するようになってきた」ことから、小売業からの問い合わせも増えている。そこでアイネスは、改めてDX化の一歩に最適なシステム「REAL MD」の提案を強化している。リアルタイムのデータ活用で大きな差が出る時代になってきた。

小売業の業務全体を支援する次世代型MDシステム「REAL MD」