キャンプ人気を背景に、ホームセンター各社が専門店を続々開業している。
ホームセンターバローは10月22日、岐阜市に新業態の「キャンプリンク」1号店をオープンした。ホームセンターで展開しているアウトドアコーナーのノウハウを生かし、キャンプに必要なテント、調理器具などを強化するとともに、岐阜県初となる取り扱いメーカーの商品や、キャンプウェア(焚火ウェア)も品揃えしている。
サービス面では、アウトドアの経験豊富なマネージャーを3名配属し、専門的な商品の問い合わせに応えられるようにしている。またホームページを開設し、イベントや商品情報、スタッフによるブログなど、キャンプを身近に感じてもらうための情報発信も強化していくという。
バローの他には、コーナン商事が昨年9月にキャンプ専門業態の「キャンプデポ」を立ち上げている。今期はすでに5店舗を出店し、計6店舗となった。
日本オートキャンプ協会によると、キャンプ人口はコロナ前から年々微増を続け、2019年には860万人に達した。翌年、コロナの感染拡大による外出自粛が影響したものの、それでも年間で610万人と、前年比3割減に留める人気ぶりを見せた。
実際、キャンプ人気を追い風に、専門店の業績は好調だ。カンセキの子会社である「ワイルドワン」はアウトドア専門店を大都市圏に22店舗展開しているが、21年2月期(20年3月~21年2月)の業績は、ワイルドワン業態の売り上げが前期比123%と、コロナ禍で好調だったホームセンター業態以上の伸びを見せた。利益はカンセキグループ全体の半分を稼ぐ。スポーツ用品店のアルペンも、アウトドアに特化した「アルペンアウトドアーズ」を今年6月までで14店舗展開している。
店数が増える中で、今後、差別化のポイントとなるのが商品戦略だ。専門業態として一頭地を抜くワイルドワンは、「品揃えの充実度はもちろんだが、こなれた価格のPBも魅力」と業界関係者は指摘する。ただ専門業態を持たないホームセンター各社も、この数年アウトドア用品のPB開発を積極的に進めており、商品レベルは上がっている。成長市場を取り込む各社の戦略に引き続き注目だ。