イオンは12月4日、埼玉県上尾市にイオンモール上尾を開業する。立地はJR上尾駅から車で約10分の中心市街地で、敷地面積は6万8000㎡、総賃貸面積は3万4000㎡の地上2階建て。近年開業したモールの中では小型の部類に入る。
約120の専門店が出店する予定で、核テナントはイオンリテールが運営するイオンスタイル上尾(売り場面積約5000㎡)、サブテナントとして無印良品、ユニクロ、GUなどが入る。商圏設定は半径3km圏内の7万世帯17万人で、年間700万人の来場を目指す。
コロナによる消費行動の変化を受け、特に強化したのがデジタルとリアルの融合だ。イオンモールのフードコートでは出前館によるフードデリバリーと、EPARKによるテイクアウトシステムを導入する。出前館のサービスについては12月20日より、6店舗が利用を開始する予定だ。またイオンリテールが強化中のネットスーパーについては、予め注文した商品を車で受け取れる「ドライブピックアップ」用の専用カーレーンを設置し、3温度帯対応のロッカーも配置する。
他にもイオンスタイルではECで注文したベビー、キッズ、寝具や家電などの店頭受け取りサービス、事前にスマホで惣菜や弁当を注文して決済を終え、店では受け取るだけの「モバイルオーダー」も導入する。モバイルオーダーは4店舗目の導入だ。またこれら様々なデジタルによる買い物サービスを支援するためのデジタル総合窓口も設置する。「売り上げの10%をデジタルでとっていきたい」とイオンリテール執行役員北関東カンパニーの西垣幸則支社長は意気込む。
ゾーニングの特徴では、まず食物販の強化が挙げられる。イオンスタイルはSM+HBCタイプでの出店だが、それに隣接する形で食物販16店の「あげおマルシェ」を配置。こだわりの生鮮3品のほか、惣菜や和洋菓子などを扱い、地域最大級の食物販ゾーンとして足元商圏のお客の来店頻度アップを狙う。
全国初の取り組みでは、書籍の未来屋書店、ペットショップのPETEMO、カーディーラーの埼玉トヨペットが3社合同で「テーブルを囲むように、公園に集うように」をコンセプトにした新たなライフスタイル提案売り場「パークオブテーブルズ」を展開する。
イオンモールの三嶋章男常務取締役営業本部長は、近隣の競合SCとの差別化について「感染症対策を徹底し、今の時代に即した内容になっている。デジタルの技術を充実させたことも武器になるのでは」と語った。
(写真は12月4日に開業予定のイオンモール上尾)