日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は8月21日、法人格を取得し、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(一般JACDS)として新たなスタートをきった。

 JACDSは、1999年6月、法人格を持たない任意の業界団体として発足。以来20年余りの活動の中で、ドラッグストア業界は成長を続け、今や市場規模7兆7000億円、総店舗数約2万1000店を擁する規模にまで拡大した。これに伴い、ドラッグストアに対する社会からの認知も進み、活動の要請の幅も広がっていることから、JACDSは、生活インフラとしての存在価値と役割を示すため、団体設立20年を機に法人格取得を決めた。事業の成長に取り組みながらも、環境に配慮した事業活動や社会課題解決への貢献などに取り組む構えだ。

 この日、東京・九段下のホテルグランドパレスでの設立総会後に実施された記者会見で、田中浩幸事務総長は、「団体活動をする上で法人格を持つことがすべてではなく、これまで業界を大きくしていこうとしてきた中では、みなし法人の方が自由度が高かった。しかし、今は社会からの要請が非常に高まっていると認識しており、外から見たときにわかりやすい体裁であることを考え、法人化することにした」と経緯を説明。また、江黒純一副会長(クスリのマルエ会長)は、「一般社団法人になることで、他のところ(業界)と同じステージに立つことができた」と語り、法人格の取得が、社会的な認知度の向上につながることに期待を寄せた。

 挨拶に立った池野隆光代表理事会長(ウエルシアホールディングス会長)は、「コロナ禍の下でドラッグストアは、食と健康を併せ持った業態として消費者の支持を得ている。これからは、他団体と協力して次の一手を打ちながら、流通業界の中心になれたらいい」と述べ、消費者の支持拡大を背景に、流通業界の牽引役となることに意欲を示した。さらに、「コロナの時代には我が業界だけという考えでは成り立たない。あらゆる業界と連携して、一緒に課題を解決していく方向に持っていけたらいい」と語り、業界の垣根を越えた連携の重要性も強調した。

 また、「2025年までに10兆円産業を目指す」という業界の目標については、「単なる通過点。それでいいとは思ってはいない。10兆円が手頃な目標になってはいけない」と指摘。10兆円の先まで視野に入っているようだ。

 なお、JACDSが毎年3月に実施しているドラッグストアショーについて、今年度はコロナの影響を考慮し、オンラインで実施する方針も併せて発表された。

(冒頭写真は法人格取得の記者会見)